とつ)” の例文
旧字:
天保二年、抽斎が二十七歳の時、八月六日に長女いとが生れ、十月二日に妻威能が歿した。年は二十六で、とついでから僅に三年目である。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
匹配ひつぱい百両王姫を御す このこことつおのおの宜きを得 偕老かいろう他年白髪を期す 同心一夕紅糸を繋ぐ 大家終に団欒の日あり 名士豈遭遇の時無からん 人は周南詩句のうちに在り 夭桃満面好手姿
八犬伝談余 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
同行者は「渋江夫婦、小野親子、多多羅、有馬、てる、なべ町娘ちやうむすめ」と記してある。渋江抽斎のたづさへて往つた妻は比良野氏威能ゐので、前年己丑にとついで、次年辛卯には死ぬる女である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
五百が抽斎にとついだ時の支度は立派であった。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)