“挈”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
42.9%
ひっさ28.6%
たづさ14.3%
たずさゆ14.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
むづかしきたづねものかな。げ持ちて旅するものは知らず。こゝ等には舟もいかだもなし。乙。客人は路にや迷ひ給ひし。こゝは物騷なる土地なり。
徳富蘇峰とくとみそほうは『将来之日本』をひっさげて故山から上って帝都の論壇に突入し、続いて『国民之友』を創刊して文名隆々天下を圧する勢いがあった。
二葉亭四迷の一生 (新字新仮名) / 内田魯庵(著)
同行者は「渋江夫婦、小野親子、多多羅、有馬、てる、なべ町娘ちやうむすめ」と記してある。渋江抽斎のたづさへて往つた妻は比良野氏威能ゐので、前年己丑にとついで、次年辛卯には死ぬる女である。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
中ニ妻孥さいどたずさゆル者アリ。コレヨリ先朝廷高崎藩ニ命ジテ仮ニ石巻いしのまきヲ鎮セシム。今ソノ帰ルヤ、乃チ知ル知事山中氏任ニのぞミ交代既ニおわリシヲ。高嶺ヲ左方ニ望ム。コレヲこゆレバすなわち猪代湖いなわしろこナリ。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)