“ひっさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
82.7%
引裂7.3%
引提6.4%
1.8%
0.9%
0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
二人の女が他愛もなく笑い転げている真正面の細骨障子に、音もなく小さな人影がした。脇差をひっさげた与一の前髪姿であった。
名君忠之 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
しかしこの感謝状のために、血のある奴らが如彼あんなに騒ぐ。殺せの、撲れのといふ気組きぐみだ。うむ、やつぱり取つて置くか。引裂ひっさいて踏むだらどうだ。
海城発電 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
と袖を払って長い刀を引提ひっさげて二階へどん/\/\/\と重二郎駈上ります。これから何う相成りますか一寸いき致して。
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
野口、北村、沼尻ノ三権少属ハ各家累ヲひっさゲテ後継トル。コノ日ヤ天気牢霽ろうせい朝暾ちょうとん菊章ノ伝符でんぷニ映ジ閃閃せんせんトシテ光アリ。服部、水谷、永井ノ三生、児精一郎ラ送ツテ千住駅ニ到ル。
下谷叢話 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
平馬は血刀をひっさげたまま茫然となっていた。
斬られたさに (新字新仮名) / 夢野久作(著)
左太夫が倒れると、右近は少しも悪怯わるびれた様子もなく、蒼白な顔に覚悟の瞳を輝かしながら、左太夫の取り落した槍をひっさげてそこに立った。
忠直卿行状記 (新字新仮名) / 菊池寛(著)