“ひきさ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヒキサ
語句割合
引裂70.8%
引割8.3%
引退8.3%
引下4.2%
引提4.2%
挽却4.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
五郎は道化服をびりびりと引裂ひきさいた。ここに! と指さしたからには、例の秘密を持っているに違いない。しかし何も出てこなかった。
劇団「笑う妖魔」 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
うちひと機嫌きげんそこなうてもこまりますと迂路うろ/\するに、らうこゝろおごりて、馬鹿婆ばかばゝめが、のやうに引割ひきさかうとすればとて、美尾みをものおや指圖さしづなればとてわかれるやう薄情はくぜうにてるべきや
われから (旧字旧仮名) / 樋口一葉(著)
「返答に依っちゃ、ただは引退ひきさがらねえぞ。さ、どっちとも、早くかせ」
宮本武蔵:06 空の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
是故に己が價値ねうちによりていと重くいかなる天秤はかりをも引下ひきさぐる物にありては、他のつひえをもてつぐなふことをえざるなり 六一—六三
神曲:03 天堂 (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
金剛杖こんごうづえちょう脇挟わきばさんだ、片手に、帯の結目むすびめをみしと取つて、黒紋着くろもんつきはかま武士さむらい俯向うつむけに引提ひきさげた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
これはと大きに驚きあきれて、がさんと力をいだせど少しも離るることなければ、人を頼みて挽却ひきさらしめしも一向さらにその甲斐かいなし。
印度の古話 (新字旧仮名) / 幸田露伴(著)