“黒紋着”の読み方と例文
読み方割合
くろもんつき100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
先刻さっきから、ただ柳が枝垂しだれたように行燈にもたれていた、黒紋着くろもんつきのその雪女が、りんとなって、両手で紳士の胸をした。
陽炎座 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金剛杖こんごうづえちょう脇挟わきばさんだ、片手に、帯の結目むすびめをみしと取つて、黒紋着くろもんつきはかま武士さむらい俯向うつむけに引提ひきさげた。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
結構そうなお爺さんの黒紋着くろもんつき、意地の悪そうな婆さんの黄色い襟もまじったが、男女なんにょ合わせて十四五人、いずれもくるまで、星も晴々と母衣ほろねた、中に一台、母衣を懸けたのが当のの縁女であろう。
露肆 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)