“費”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つか36.0%
ついや19.0%
つい17.6%
つひや5.9%
かか4.8%
ついえ4.3%
つひえ3.2%
かゝ2.0%
つひ1.8%
ひ1.6%
つこ0.7%
つぶ0.7%
づか0.7%
い0.5%
つひへ0.5%
す0.2%
つ0.2%
つひやし0.2%
ものいり0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「尤も、娘のお清は、費(つか)ひ殘りの金を舊藩へ返して、お隣の松倉至(まつくらいたる)と、貧乏な世帶を持つた相だから、まづ/\、諦(あきら)めるとしようか」
これに反して鰐博士は、むしろ子宮や乳房(ちぶさ)の自然退化を促進する方を捷径(しょうけい)と見て、既に三十年をその研究に費(ついや)して来た権威者である。
わが心の女 (新字旧仮名) / 神西清(著)
夫人や園子が自分事のようにおしもを世話しているのも不快なことだったし、何にもまして、無駄な費(つい)えが気にいらないのだった。
女心拾遺 (新字新仮名) / 矢田津世子(著)
勝道上人は日光の開山者で、日光を開くために前後十數年を費(つひや)し、それまでは世に知られ無い神祕境であつたのを遂に開いたのである。
華厳滝 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そんなら銭の費(かか)らん研究法をしなくてはならんが、其には自分を犠牲にして解剖壇上に乗せて、解剖学を研究するより外仕方がない。
予が半生の懺悔 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
出(いづ)るに車あり、入るに家あり、衣食亦た自ら適するに足るものあり、旅するに費(ついえ)あり、病むときに医あり、何不自由もなく世を渡り
主のつとめ (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
恰も好しフランチエスカの君は、臨時の費(つひえ)もあるべく又日ごろの勞(つかれ)をも忘れしめんとて、百「スクヂイ」の爲換(かはせ)を送り給ひぬ。
お小使はふろを立てない日に坊ちやんをつれて外湯へ行つたりなぞする外には、おくみの手で使ふ費(かゝ)りが少しもないやうな日があつた。
桑の実 (新字旧仮名) / 鈴木三重吉(著)
「強情で、しみつ垂れで、女は大飯を食つたり着物を買つたり、費(つひ)えだからつてお内儀さんも持たない人ですもの」
銭形平次捕物控:311 鬼女 (旧字旧仮名) / 野村胡堂(著)
仰しゃることはごもっともですが、しかし現在の顓叟(せんゆ)は、要害堅固で、季氏の領地の費(ひ)にも近いところでございますし、今のうちに始末を
現代訳論語 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
それだけ他のものより金も費(つこ)うとる。うちらの身分としちゃ、大学どころか中学も行ける身分じゃないとこをやったんでなあ。
大根の葉 (新字新仮名) / 壺井栄(著)
武蔵は、光悦のあとへ坐って、幾分かいる所を得た気もちがしたが、なにかしら、大事な時間を、つまらなく費(つぶ)しているような気もしていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
京や伏見で七百両のやけ費(づか)いも、華やかだったには違いないが、月夜の晩にひいた風邪は、お綱の髄(ずい)からぬけないのである。
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「庭でも家でも、はじめに働いてくれた人はわすられないものだよ、そこで、君が民さんをたずね、どれだけ費(い)るか請負(うけおい)にしてもらいたい。」
生涯の垣根 (新字新仮名) / 室生犀星(著)
色街で女買(をんなかひ)をするのを男の自慢のやうに心得てゐる男が一年程過ぎて算盤(そろばん)を取つて見ると、費(つひへ)が思つたよりは意外に嵩(かさ)んでゐるのに気が注(つ)いた。
ところが、山っ気のあった男とみえて、いろいろのことに手を出してすっかり費(す)ってしまったんだが、西村陽吉、死んだ社長だね、あの西村の仲介で土地を抵当に入れて銀行から金を借りたのだね。
五階の窓:04 合作の四 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
父が居なくなってから、母はランプの石油を、余計に費(つ)いやすことを恐れて、夜なべが済むと、すぐ戸締りして、寝床を作った。
戦争雑記 (新字新仮名) / 徳永直(著)
こゝを以て家居(いへゐ)の造(つく)りはさら也、万事(よろづのこと)雪を禦(ふせ)ぐを専(もつはら)とし、財(ざい)を費(つひやし)力(ちから)を尽(つく)す事紙筆(しひつ)に記(しる)しがたし。農家(のうか)はことさら夏の初より秋の末までに五穀(こく)をも収(をさむ)るゆゑ、雪中に稲(いね)を刈(かる)事あり。
此時は里人(さとひと)幾十人を傭(やと)ひ、橇(かんじき)縋(すかり)にて道(みち)を蹈開(ふみひらか)せ跡(あと)に随(したがつ)て行(ゆく)也。此費(ものいり)幾緡(いくさし)の銭を費(つひや)すゆゑ貧(とぼ)しき旅(たび)人は人の道(みち)をひらかすを待(まち)て空(むなし)く時を移(うつす)もあり。健足(けんそく)の飛脚(ひきやく)といへども雪途(みち)を行(ゆく)は一日二三里に過(すぎ)ず。