“ものいり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
物入23.8%
物費19.0%
費用14.3%
出費9.5%
物要9.5%
入費4.8%
冗費4.8%
諸費4.8%
4.8%
費物4.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
新太郎と共に、三人を上野まで送つて呉れたお吉は、さぞ今頃、此間中は詰らぬ物入ものいりをしたと、寢物語に源助にこぼしてゐる事であらう。
天鵞絨 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
ところがこの私も、病人やら物費ものいりやらで、このところ、どうしようもございません。
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
壺ののむ財産だけが、この際、柳生にとって日光お費用ものいりの唯一の目当てなのですから、藩の上下をあげてそのあわてようといったらありません。
丹下左膳:03 日光の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
だからここでもしお金さんの縁談がまとまるとすれば、それは正に三人目の出費ものいりに違なかった。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
御前おまへ新世帶しんしよたいだから、さぞ物要ものいりおほからう」とつてかねを六十ゑんれた。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
得ず家財殘らず分散ぶんさんいたししうとめと兩人にて淺草諏訪町に裏店うらだなを借受賃仕事或は洗濯など致しわづかに露命をつなぎ居候中又もや姑の三年越の長煩ながわづらひに入費ものいり莫大ばくだいにて困窮に困窮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
深切しんせつに尋ね來りし事を深く喜び彼是と饗應もてなすにぞ夫婦も安心し此度途中とちうにて少々入費ものいりも是ありしにより甚だ少しながらと金子二十兩を土産に贈りければ甚太夫は彌々いよ/\其の志ざしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
失ひたる如く只茫然ばうぜんとして居たりけり然ば段々と打ち續きたる冗費ものいりに今は家藏いへくらも云に及ばず假令家財雜具迄も賣拂うりはらへばとて勿々なか/\借金しやくきんの方に引足ず母子倶々種々に心を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
諸費ものいりはかさむいっぽうで、こうなると、第一、毎日のものを入れている商人たちが不安になってくる。黙っていない。大挙して、具足屋東兵衛に膝詰め談判をした。
巷説享保図絵 (新字新仮名) / 林不忘(著)
此時は里人さとひと幾十人をやとひ、かんじきすかりにてみち蹈開ふみひらかあとしたがつゆく也。此ものいり幾緡いくさしの銭をつひやすゆゑとぼしきたび人は人のみちをひらかすをまちむなしく時をうつすもあり。健足けんそく飛脚ひきやくといへども雪みちゆくは一日二三里にすぎず。
三十日みそかの苦労にお気がつき、さても不思議小さき人一人殖えたればとて、この費物ものいりの相違はと、お二人ともども細かき算盤置きたまへば、なるほど奥様の御出勤故に
今様夫婦気質 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)