“ついえ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
70.4%
費用7.4%
冗費3.7%
出費3.7%
3.7%
失費3.7%
3.7%
浪費3.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
右は大家の事をいふ、小家しょうかの貧しきは掘夫をやとふべきもついえあれば男女をいはず一家雪をほる。わが里にかぎらず雪ふかき処は皆しかなり。
(新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
酒に費用ついえのかかるのが嫌いなのだろうと、自分は推察していた。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
威勢の悪いことおびただしいんです。向島が私に、茶屋でばかり逢うのも冗費ついえだから、家へ来いなんて……そうなると、先方さき母親おっかさんが好い顔をしませんや。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
花束に未練はあっても出費ついえを好まぬ温和なる人々は、アルベエル一世公園を貫く車道の両側にて、一脚五法の貸し椅子に納まり、そのうしろにして、爪立つまだちしてなお及ばざるは音楽堂の屋根
地を這う蟻の喜悦から、星のついえる悲哀まで、無涯の我に反映して無始無終の彼方に還るのではございますまいか。
C先生への手紙 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
どんな面倒な失費ついえもよんどころないが、遠い江戸へ縁付けてしまうのに、そんな面倒をかさねるのはお互いにつまらない事であるから
半七捕物帳:37 松茸 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
葛葉くずはの二関の他は、関所ことごとく開放し、商売往来のついえをはぶき、また元亨元年の夏、大旱だいかんあって地を枯らし、甸服でんぷくの外百里の間、赤土せきどのみあって青苗せいびょうなく、餓莩がひょう巷に横仆よこたわり
あさひの鎧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
己がまゝ掻𢌞かきまは我儘わがまゝ氣儘きまゝ振舞ふるまひたりしが何時しか町内廻りの髮結かみゆひ清三郎と密通みつつうをなし内外うちそとの目を忍びて物見遊山に浪費ついえ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)