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費
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ついえ
ふりがな文庫
“
費
(
ついえ
)” の例文
出
(
いづ
)
るに車あり、入るに家あり、衣食亦た自ら適するに足るものあり、旅するに
費
(
ついえ
)
あり、病むときに医あり、何不自由もなく世を渡り
主のつとめ
(新字旧仮名)
/
北村透谷
(著)
右は大家の事をいふ、
小家
(
しょうか
)
の貧しきは掘夫をやとふべきも
費
(
ついえ
)
あれば男女をいはず一家雪をほる。
吾
(
わが
)
里にかぎらず雪ふかき処は皆
然
(
しか
)
なり。
雪
(新字新仮名)
/
中谷宇吉郎
(著)
しかし、こうした貪慾の男でも、我が子は非常に可愛がって、
小児
(
こども
)
のこととなるとどんなに無益な
費
(
ついえ
)
をしてもいとわなかった。
長者
(新字新仮名)
/
田中貢太郎
(著)
『さうさなあ、矢張りお上にも無駄な
費
(
ついえ
)
と云ふものはいるものだなあ。何んだなあ一日分だけでも、こちとらにすれやあ大したものだなあ。』
監獄挿話 面会人控所
(新字旧仮名)
/
伊藤野枝
(著)
余麻布に移りて空地と坂崖等「日和下駄」の中に書き漏したる処多きを知り未だ移居の
費
(
ついえ
)
を
悔
(
くゆ
)
るに
暇
(
いとま
)
あらざるなり。
偏奇館漫録
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
▼ もっと見る
黒
ゝゝ
(
ぼちぼち
)
では、
睫毛
(
まつげ
)
の
顫
(
ふる
)
える形にも見えない。見えても、ゝと短いようで悪いから、紙
費
(
ついえ
)
だけれど、「 」白にする。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
新「此の野郎はお
饒舌
(
しゃべり
)
をする奴だから、罪な様だが五両でも八両でも金を遣るのは
費
(
ついえ
)
だから切殺して仕舞ったが、もう
此処
(
こゝ
)
にぐず/\してはいられねえ」
真景累ヶ淵
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
一 人の妻と成ては其家を能く
保
(
たもつ
)
べし。妻の行ひ
悪敷
(
あしく
)
放埒なれば家を破る。万事
倹
(
つづまやか
)
にして
費
(
ついえ
)
を
作
(
なす
)
べからず。衣服飲食
抔
(
など
)
も身の分限に随ひ用ひて
奢
(
おごる
)
こと勿れ。
女大学評論
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
津軽家では一カ年間に返済すべしという条件を附して、金三両を貸したが、抽斎は主家の好意を喜びつつも、
殆
(
ほとん
)
どこれを何の
費
(
ついえ
)
に
充
(
あ
)
てようかと思い惑った。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
「しかし、これまでのがかかりすぎているのではありませんか、無用の
費
(
ついえ
)
は、避けたいと思いますので」
吉良上野の立場
(新字新仮名)
/
菊池寛
(著)
神酒をいただきつつ、酒食のたぐいを
那処
(
いずく
)
より得るぞと問うに、酒は
此山
(
ここ
)
にて
醸
(
かも
)
せどその他は皆山の下より上すという。人馬の
費
(
ついえ
)
も少きことにはあらざるべきに盛なることなり。
知々夫紀行
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
油紙の
費
(
ついえ
)
二両ばかり、農具の価家具の料二両ばかり、薪炭等壱両余、夫婦衣服子女の料ともまた一両二分余、春を迎え歳を送り
魂
(
たま
)
祭り
年忌
(
ねんき
)
仏事の入用二両余、日雇賃一両二分余
吉田松陰
(新字新仮名)
/
徳富蘇峰
(著)
絵の具を乾かす時間が
省
(
はぶ
)
けるだけでも大変重宝で、これを新聞に応用すれば、
印気
(
インキ
)
や印気ロールの
費
(
ついえ
)
を節約する上に、全体から云って、少くとも従来の四分の一の手数がなくなる点から見ても
門
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
三百両は建築の
費
(
ついえ
)
を弁ずるには
余
(
あまり
)
ある金であった。しかし
目見
(
めみえ
)
に伴う
飲醼贈遺
(
いんえんぞうい
)
一切の費は
莫大
(
ばくだい
)
であったので、五百は
終
(
つい
)
に
豊芥子
(
ほうかいし
)
に託して、
主
(
おも
)
なる
首飾
(
しゅしょく
)
類を売ってこれに
充
(
あ
)
てた。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
わが衣食住とわが生涯を以て
活
(
い
)
きたる詩活きたる芸術の作品となすに何の
費
(
ついえ
)
をか要せん。
矢はずぐさ
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
繼「本当に
費
(
ついえ
)
では有りませんか、是からも未だ長い旅をするのに、
銘々
(
めい/\
)
蒲団の代を払うのは馬鹿々々しゅうございますよ、却って一人寝るより二人の方が
温
(
あった
)
かいかも知れません」
敵討札所の霊験
(新字新仮名)
/
三遊亭円朝
(著)
また、区内の
戸毎
(
こごと
)
に命じて、半年に金一
歩
(
ぶ
)
を出ださしめ、貸金の利足に
合
(
がっ
)
して永続の
費
(
ついえ
)
に供せり。ただし半年一歩の出金は、その家に子ある者も子なき者も一様に出ださしむる法なり。
京都学校の記
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
雑用
(
ぞうよう
)
宿の
費
(
ついえ
)
に、不機嫌な旦那に、
按摩
(
あんま
)
をさせられたり、
煽
(
あお
)
がせられたり。濁った
生簀
(
いけす
)
の、茶色の蚊帳で
揉
(
も
)
まれて寝たが、もう一度、うまれた家の影が見たさに、忍んでここまで来たのだ、と言います。
河伯令嬢
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
決して衣食の
価
(
あたい
)
は申し受けない。そうすれば渋江
一家
(
いっけ
)
は寡婦孤児として受くべき
侮
(
あなどり
)
を防ぎ、無用の
費
(
ついえ
)
を節し、安んじて子女の成長するのを待つことが出来ようといったのである。
渋江抽斎
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
すると毎夜
種油
(
たねあぶら
)
の
費
(
ついえ
)
を惜しまず、
三筋
(
みすじ
)
も四筋も
燈心
(
とうしん
)
を投入れた
偐紫楼
(
にせむらさきろう
)
の
円行燈
(
まるあんどう
)
は、今こそといわぬばかり独りこの
戯作者
(
げさくしゃ
)
の
庵
(
いおり
)
をわが物顔に、その光はいよいよ鮮かにその影はいよいよ涼しく
散柳窓夕栄
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
「死んでおしまいよ。こんな男は
国土
(
くに
)
の
費
(
ついえ
)
だ」
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
費
常用漢字
小5
部首:⾙
12画
“費”を含む語句
費用
入費
浪費
冗費
消費
旅費
費消
費府
濫費
小費
物費
無駄費
経費
出費
生計費
失費
諸入費
徒費
放蕩費
金費
...