入費ものいり)” の例文
得ず家財殘らず分散ぶんさんいたししうとめと兩人にて淺草諏訪町に裏店うらだなを借受賃仕事或は洗濯など致しわづかに露命をつなぎ居候中又もや姑の三年越の長煩ながわづらひに入費ものいり莫大ばくだいにて困窮に困窮を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
深切しんせつに尋ね來りし事を深く喜び彼是と饗應もてなすにぞ夫婦も安心し此度途中とちうにて少々入費ものいりも是ありしにより甚だ少しながらと金子二十兩を土産に贈りければ甚太夫は彌々いよ/\其の志ざしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
盡せども全快の樣子やうすは見えず彼是する中に享保四年も早十二月の中旬なかばと成しに長々なが/\の病人にて入費ものいり等も多く勿々なか/\女の手一ツにては三度の食事しよくじさへ成難く諸方の借方かりかたは段々と言延したれ共最早もはや此暮にはせめて半金づつ成共拂はねば濟ずさればとて外に詮術せんすべもなく相談相手になる筈の人は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)