つぶ)” の例文
武蔵は、光悦のあとへ坐って、幾分かいる所を得た気もちがしたが、なにかしら、大事な時間を、つまらなくつぶしているような気もしていた。
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
あれ、また話で時をつぶいた。妾は今日は急ぐほどに、之で御免蒙りませう。お前も精々からだを大事にしや。命あっての物種ぢやのう。さらばまたの日に会ひませう。
南蛮寺門前 (新字旧仮名) / 木下杢太郎(著)
「いやそのに、粥が煮える。また、拙者もその半日を、無駄にはつぶさん。少し考えがあるのだから」
牢獄の花嫁 (新字新仮名) / 吉川英治(著)