“万事”のいろいろな読み方と例文
旧字:萬事
読み方(ふりがな)割合
ばんじ80.5%
よろず9.8%
よろづ4.9%
こと2.4%
よろづのこと2.4%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「そのハルクも、ついでに片づけておきましたよ。万事ばんじ片づいてしまいました。あとは、一意、われわれの計画の実行にとりかかるだけです」
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
三木がそういったので、万事ばんじは決った。もちろん隆夫は協力を同意したし、二宮も手を貸すといい、四方までが、ぼくにも手伝わせてくれと申出た。
霊魂第十号の秘密 (新字新仮名) / 海野十三(著)
全体騾馬というのを満洲へ来て始めて見たが、腹が太くって、背が低くって、総体が丸くたくましくって、万事ばんじ邪気のないような好い動物である。
満韓ところどころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ラツールと玉太郎とは、もう万事ばんじあきらめ、たがいにしっかり抱きあい、ポチも二人のあいだへ入れて、最期さいごはいつ来るかと、それを待った。
恐竜島 (新字新仮名) / 海野十三(著)
船長ノルマンは、自分たちに都合のよいことばかりかんがえ、そして万事ばんじぬかりのないように、先の段取だんどりを、心のうちに決めたのであった。
火薬船 (新字新仮名) / 海野十三(著)
家運衰退のもとにも、蒲鉾不持ふもてのわけにも、本人としては何か心当りでもあるかして、生来の担ぎ屋が、女房の失踪後は、万事よろずにつけてまたいっそうの縁起ずくめ。
わが友となり、わが筆を教え、わがこころを養いし林や流れや小鳥にまでも別れを告げばやとかくは装衣いでたちぬ、されど翁にはひとまず父の家に帰りて万事よろず仕度したくを終えし後
わかれ (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
自分さえなければ万事よろずまるく納まりそう。
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
もとより山とは言うべくもないが、高いところなら猫の額でも山という名をつけたがるのが万事よろずに大袈裟な江戸者の癖で、御他聞に洩れず半ば塵埃ごみ捨場のこの小丘も、どうやら見ようによってはそうも見えるというので、一般には木槌山さいづちやまとして通っていた。
それが又、それ相応に一々文句が違つてると云ふので、人々は今更の様に事々しく、渠の万事よろづに才が廻つて、器用であつた事を語り合つた。
天鵞絨 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
そして孝子には、万事よろづに生々とした健の烈しい気性——その気性の輝いてゐる、笑ふ時は十七八の少年の様に無邪気に、真摯まじめな時は二十六七にも、もつと上にも見える渠の眼、
足跡 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
長持ながもちかつぎの人足にんそくにいたるまで、そつのないものが適当に割当てられ、旧幕時代の万事ことを知るものが
一世お鯉 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)
こゝを以て家居いへゐつくりはさら也、万事よろづのこと雪をふせぐをもつはらとし、ざいつひやしちからつくす事紙筆しひつしるしがたし。