トップ
>
万事
>
ばんじ
ふりがな文庫
“
万事
(
ばんじ
)” の例文
旧字:
萬事
「そのハルクも、
序
(
ついで
)
に片づけておきましたよ。
万事
(
ばんじ
)
片づいてしまいました。あとは、一意、われわれの計画の実行にとりかかるだけです」
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
万事
(
ばんじ
)
この調子だから驚くです。かう云ふ事には最も理解がある
可
(
べ
)
き文壇でさへ、イズムで人間を律しようとするんですからな。
饒舌
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
いつも、こうした
取引
(
とりひき
)
にかけては、
万事
(
ばんじ
)
、
自分
(
じぶん
)
を
見
(
み
)
まねていて、ぬけめがないとは
思
(
おも
)
いましたが、
念
(
ねん
)
のためにきいたのでした。
トム吉と宝石
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
全体騾馬というのを満洲へ来て始めて見たが、腹が太くって、背が低くって、総体が丸く
逞
(
たくま
)
しくって、
万事
(
ばんじ
)
邪気のないような好い動物である。
満韓ところどころ
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「じゃあ一つ、わしがそれを
生捕
(
いけど
)
ってあげよう。そのかわり、ほんとに生捕ることが出来たら、手荒なことをしないで、
万事
(
ばんじ
)
わしに
任
(
まか
)
してくれるかね」
狸のお祭り
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
▼ もっと見る
尚
(
な
)
お
生死以外
(
せいしいがい
)
にも
産土
(
うぶすな
)
の
神様
(
かみさま
)
のお
世話
(
せわ
)
に
預
(
あず
)
かることは
数限
(
かずかぎ
)
りもございませぬが、ただ
産土
(
うぶすな
)
の
神様
(
かみさま
)
は
言
(
い
)
わば
万事
(
ばんじ
)
の
切盛
(
きりも
)
りをなさる
総受附
(
そううけつけ
)
のようなもので
小桜姫物語:03 小桜姫物語
(新字新仮名)
/
浅野和三郎
(著)
博雄の行李を埋めた土の上に、更に土をかぶせ、水をかけ、
万事
(
ばんじ
)
終了
(
しゅうりょう
)
の意識で心も軽く立ちあがった。ほんとうの学童疎開の日は、二三日さきのことだ。
親は眺めて考えている
(新字新仮名)
/
金森徳次郎
(著)
「知れたもんさ。
然
(
しか
)
し金で女を買ふなんざア、ちツとお
人
(
ひと
)
が
好過
(
よすぎ
)
らア。
僕
(
ぼく
)
ア公園で二三
軒
(
けん
)
待合
(
まちあひ
)
を知つてるよ。連れてツてやらう。
万事
(
ばんじ
)
方寸
(
はうすん
)
の
中
(
うち
)
にありさ。」
すみだ川
(新字旧仮名)
/
永井荷風
(著)
万事
(
ばんじ
)
心得たと云ってくれたが、半次郎、今夜の中に清兵衛さんの船へ、行っていたらどうだねえ。
瞼の母
(新字新仮名)
/
長谷川伸
(著)
万事
(
ばんじ
)
は夜が明けてからのことです。それまでにじゅうぶん鋭気をやしなっておかねばなりません。
怪人二十面相
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
しかし
私
(
わたくし
)
は
生
(
うま
)
れたその
日
(
ひ
)
より
今日
(
こんにち
)
まで、
絶
(
た
)
えず
苦痛
(
くつう
)
を
嘗
(
な
)
めているのです、それ
故
(
ゆえ
)
私
(
わたくし
)
は
自分
(
じぶん
)
を
貴方
(
あなた
)
よりも
高
(
たか
)
いもの、
万事
(
ばんじ
)
において、より
多
(
おお
)
く
精通
(
せいつう
)
しているものと
認
(
みと
)
めておるです。
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
「そうとも、そうともお前、
万事
(
ばんじ
)
都合
(
つごう
)
よくいったというものよ、久子」
二十四の瞳
(新字新仮名)
/
壺井栄
(著)
一切
(
いっさい
)
万事
(
ばんじ
)
控目
(
ひかえめ
)
にして世間の
耳目
(
じもく
)
に
触
(
ふ
)
れざるの
覚悟
(
かくご
)
こそ本意なれ。
瘠我慢の説:02 瘠我慢の説
(新字新仮名)
/
福沢諭吉
(著)
「私のほうの学校はみんないい方ばかりで、
万事
(
ばんじ
)
すべて
円
(
まる
)
くいっていますから、始めて来た方にも勤めいいです。
貴下
(
あなた
)
も一つ大いに奮発していただきたい。俸給もそのうちにはだんだんどうかなりますから……」
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
今日
(
きょう
)
から、
村
(
むら
)
のものたちは、
万事
(
ばんじ
)
の
集
(
あつ
)
まりや、
約束
(
やくそく
)
の
時間
(
じかん
)
を、この
時計
(
とけい
)
によってしなければならぬと
思
(
おも
)
ったからであります。
時計のない村
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
ラツールと玉太郎とは、もう
万事
(
ばんじ
)
あきらめ、たがいにしっかり抱きあい、ポチも二人のあいだへ入れて、
最期
(
さいご
)
はいつ来るかと、それを待った。
恐竜島
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「知れたもんさ。しかし金で女を買うなんざア、ちッとお
人
(
ひと
)
が
好過
(
よすざ
)
らア。僕ァ公園で二、三軒
待合
(
まちあい
)
を知ってるよ。連れてッてやろう。
万事
(
ばんじ
)
方寸
(
ほうすん
)
の
中
(
うち
)
にありさ。」
すみだ川
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
少くとも国家を代表するかの如き顔をして
万事
(
ばんじ
)
を
振舞
(
ふるま
)
うに足る位の権力家である。今政府の新設せんとする文芸院は、この点においてまさしく国家的機関である。
文芸委員は何をするか
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
『で、
君
(
きみ
)
は
万事
(
ばんじ
)
エウゲニイ、フェオドロイチの
言
(
ことば
)
に
従
(
したが
)
うように、ねえ
君
(
きみ
)
、
頼
(
たの
)
むから。』
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
匪賊
(
ひぞく
)
の
首領
(
かしら
)
は降参して、心から玄王に仕えることになりました。が、まだあちこちに、玄王の元の部下もおれば、匪賊達もいます。李伯将軍が
万事
(
ばんじ
)
指図をして、それらをみな治めることになりました。
金の目銀の目
(新字新仮名)
/
豊島与志雄
(著)
船長ノルマンは、自分たちに都合のよいことばかりかんがえ、そして
万事
(
ばんじ
)
手
(
て
)
ぬかりのないように、先の
段取
(
だんどり
)
を、心のうちに決めたのであった。
火薬船
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「
人間
(
にんげん
)
の
造
(
つく
)
った、
機械
(
きかい
)
には
狂
(
くる
)
いがあるが、お
日
(
ひ
)
さまのお
歩
(
ある
)
きなさる
道
(
みち
)
にちがいはない。」といって、おじいさんだけは、
日時計
(
ひどけい
)
を
置
(
お
)
いて、
時刻
(
じこく
)
を
見
(
み
)
たので、
万事
(
ばんじ
)
幸福の鳥
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「
馬鹿
(
ばか
)
云つちや
不可
(
いけ
)
ない。発起人つて、
表向
(
おもてむき
)
の発起人ぢやない。たゞ僕がさう云ふ
会
(
くわい
)
を企だてたのだ。つまり僕が原口さんを
勧
(
すゝ
)
めて、
万事
(
ばんじ
)
原口さんが周旋する様に
拵
(
こしら
)
へたのだ」
三四郎
(新字旧仮名)
/
夏目漱石
(著)
三木がそういったので、
万事
(
ばんじ
)
は決った。もちろん隆夫は協力を同意したし、二宮も手を貸すといい、四方までが、ぼくにも手伝わせてくれと申出た。
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
わたしの
大
(
だい
)
きらいな
風
(
かぜ
)
も
当
(
あ
)
たらないし、
人間
(
にんげん
)
が
万事
(
ばんじ
)
いいようにしてくれますからね。しかし、なにしろ
高価
(
こうか
)
なことをいいますから、ちょっとお
客
(
きゃく
)
がわたしには
手
(
て
)
が
出
(
だ
)
せないのです。
みつばちのきた日
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
もちろん、仏にとっては、そんな
煩
(
わずら
)
わしいことに、頭を使いたくなかったので、
万事
(
ばんじ
)
アンに
委
(
まか
)
せることに同意した。
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
いなかに、じっとしていれば、
心配
(
しんぱい
)
なしだが、
一足
(
ひとあし
)
旅
(
たび
)
へ
出
(
で
)
れば、
金
(
かね
)
よりたよりになるものはない。
万事
(
ばんじ
)
が
金
(
かね
)
の
世
(
よ
)
の
中
(
なか
)
だけ、
金
(
かね
)
のありがたみもわかるが、また、
金
(
かね
)
がおそろしくもなる。
かたい大きな手
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
さすがに海底超人の新人たるロロー殿下は、博士の言葉をよくかみわけ、そして博士に
万事
(
ばんじ
)
をまかせたのである。
海底大陸
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
金持
(
かねも
)
ちは、
水
(
みず
)
をやったり、
肥料
(
こやし
)
をやったり、
日
(
ひ
)
に
当
(
あ
)
てたりしましたが、
花
(
はな
)
は、
小
(
ちい
)
さなときから、
親
(
した
)
しく、
慣
(
な
)
れた、おじいさんの
手
(
て
)
を
離
(
はな
)
れてしまったので、
万事
(
ばんじ
)
調子
(
ちょうし
)
が
変
(
か
)
わったとみえて、しだいに
花と人間の話
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
「そう決めましょう。じゃ
万事
(
ばんじ
)
よろしく」捜査課長は、何が嬉しいのか、帆村の手をギュッと握った。
赤外線男
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
なぜドイツ側の手に入ると、
万事
(
ばんじ
)
がおしまいになるのですか。一体、どんなことが起るのですか——
人造人間の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
そこへ入っていった岡部の顔を見ると、少佐は、いちはやく
万事
(
ばんじ
)
を察したが、それとは口に出さず
未来の地下戦車長
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
万事
(
ばんじ
)
明白
(
めいはく
)
になるからと、しきりにその事を申し述べたのであるが、車掌と憲兵とは、それを実行しようとも何とも言わずに、彼を三等車の隅っこに押しこんで、附近の乗客に
英本土上陸戦の前夜
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「なんだか、
薬壜
(
くすりびん
)
のようだネ」
万事
(
ばんじ
)
を
了解
(
りょうかい
)
したらしい様子の帆村が、
低声
(
こごえ
)
で云った。
西湖の屍人
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「え、そいつは、すばらしいじゃないか。たいへんな金もうけがころがりこんだものだ。いや……お前、これは大もうけになるぜ。おれに
万事
(
ばんじ
)
をまかせなよ。そして利益は五分五分に分けよう」
透明猫
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
その野獣的な彼らの
形相
(
ぎょうそう
)
に、また
太古
(
たいこ
)
のままの好戦的な性格まるだしの
有様
(
ありさま
)
に、僕はいささかひるみはしたけれど、ここで決心を曲げては
万事
(
ばんじ
)
水の泡と思い、こっちも負けずに大声を張りあげた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「いや、今度ばかりは、おれは駄目さ。始めからそう思っていたし、それにこの部屋を一目見て断念したよ。おれには科学は苦手さ。君に
万事
(
ばんじ
)
を頼む」と、いつになく白木は、あっさり
匙
(
さじ
)
をなげて
暗号音盤事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
頑固だったオンドリも、ついに礼をいって、
万事
(
ばんじ
)
を相手にまかせた。
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「はい、はじめてですから、
万事
(
ばんじ
)
まごついてばかりいます」
海底都市
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「一体どうすりゃいいんです。艇長に
万事
(
ばんじ
)
一任
(
いちにん
)
しますよ」
月世界探険記
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
もし此処で
卒倒
(
そっとう
)
したらば、それで
万事
(
ばんじ
)
休
(
きゅう
)
すだ!
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「うふ。組長は、
万事
(
ばんじ
)
ぬかりが、ねえな」
夜泣き鉄骨
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
丁坊ははじめて
万事
(
ばんじ
)
をさとった。
大空魔艦
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
「私が
万事
(
ばんじ
)
心得ています」
霊魂第十号の秘密
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
万事
(
ばんじ
)
休
(
きゅう
)
す!
間諜座事件
(新字新仮名)
/
海野十三
(著)
“万事”の意味
《名詞》
万 事(ばんじ)
全ての事。
(出典:Wiktionary)
万
常用漢字
小2
部首:⼀
3画
事
常用漢字
小3
部首:⼅
8画
“万事”で始まる語句
万事休矣
万事休
万事休す