“嵩”のいろいろな読み方と例文
読み方(ふりがな)割合
かさ61.5%
こう28.3%
かう5.9%
たか2.3%
カサ0.7%
0.3%
すう0.3%
たかま0.3%
カウ0.3%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
池は年を経て、その水は蒼黒く淀んでいるのが、この頃の雨にかさを増して、濁った暗い色が汀までひたひたと押し寄せていた。
玉藻の前 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
うしろに立っていた重吉を紹介した。重吉は、まだ帰って来た時のままのなりで、かさだかにそこの畳へ手をついて挨拶をした。
風知草 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)
それがだんだんこうじて来ると、今度はごく些細ささいな刺戟からも、絶えず神経をさいなまれるような姿になった。
忠義 (新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
そう思うとあり合わせるものを取ってちこわすか、つかんで引き裂きたいような衝動がわけもなくこうじて来るのだった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼女の音楽好きは益々かうじて来た様子であるが、云ふまでもなく、彼女自身はその理由をつきとめてはゐないのである。
日本三文オペラ (新字旧仮名) / 武田麟太郎(著)
解つたか、味噌摺みそすり奴、——手前は腹の惡い人間ぢやねえが、主人大事がかうじて、外の者へツラく當り過ぎるよ
女道楽をはじめとして私行的の道楽なら、いくら金を使っても池上の身上しんしょうとしてはたかが知れたものである。
生々流転 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
それがあまりに息詰まるほどたかまると彼女はそのかさを心から離して感情の技巧の手先で犬のように綾なしながら、うつらうつら若さをおもう。
家霊 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
また重なることもカサというからあるいはそれを重畳の意味にとらんでもあるまい。
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
先づ何よりもの、その証拠としては、一度び彼が現れて、水車が回る如く訳文の紙片が厚くなるに従つて、わたしの相好は牡丹の花のやうに崩れて、稍ともすれば馬小屋の天井裏からモロコシ酒を盗み出して、印税のカサばかりを、万円、万円と算えて、うつゝを抜した。
幽霊の出る宮殿 (新字旧仮名) / 牧野信一(著)
また上野の音楽学校の男生徒と、美術学校の生徒はとても茶目で、私のことを「タマちゃん、タマちゃん」といってひやかしているうちはよかったんですが、だんだん悪戯がうじて、しまいには往来を横に一列になって通せんぼうをする
お蝶夫人 (新字新仮名) / 三浦環(著)
——で、彼の父のすうは他家から養子にきた者だし、いずれにしても余り良い家柄ではなかったらしい。
三国志:10 出師の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
それがだんだんたかまつて来て濁つてゐたおたあちやんの心は、一日一日と澄んで来るやうになりました。
虹の橋 (新字旧仮名) / 野口雨情(著)
其がカウじて「桜時雨」の「侘び住ひの場」などが出来たのであらうが——。
戞々たり 車上の優人 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)