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嵩
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かう
ふりがな文庫
“
嵩
(
かう
)” の例文
解つたか、
味噌摺
(
みそす
)
り奴、——手前は腹の惡い人間ぢやねえが、主人大事が
嵩
(
かう
)
じて、外の者へツラく當り過ぎるよ、氣を付けやがれ
銭形平次捕物控:098 紅筆願文
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
彼女の音楽好きは益々
嵩
(
かう
)
じて来た様子であるが、云ふまでもなく、彼女自身はその理由をつきとめてはゐないのである。
日本三文オペラ
(新字旧仮名)
/
武田麟太郎
(著)
何處へゆく、斯ういふ人の所へ行く、嘘を言へ、何が嘘だ、が
嵩
(
かう
)
じてたうとう此處まで引きずられて來たのださうだ。青年たちも生方君も汗ぐつしよりである。
樹木とその葉:34 地震日記
(旧字旧仮名)
/
若山牧水
(著)
所詮
(
しよせん
)
が
嵩
(
かう
)
じて、
眞暗
(
まつくら
)
がり。
我
(
わ
)
が
掌
(
てのひら
)
は
見
(
み
)
えいでも、
歴々
(
あり/\
)
と、
影
(
かげ
)
は
映
(
うつ
)
る、
燈
(
あかり
)
を
消
(
け
)
しても
同
(
おな
)
じ
事
(
こと
)
で。
三人の盲の話
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
(著)
唯、同僚の悪戯が、
嵩
(
かう
)
じすぎて、
髷
(
まげ
)
に紙切れをつけたり、
太刀
(
たち
)
の
鞘
(
さや
)
に草履を結びつけたりすると、彼は笑ふのか、泣くのか、わからないやうな笑顔をして、「いけぬのう、お身たちは。」と云ふ。
芋粥
(新字旧仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
彼の惰性的な遊び癖も一層
嵩
(
かう
)
じて来ない訳に行かなかつた。
のらもの
(新字旧仮名)
/
徳田秋声
(著)
女房のお角とぐるになつて菊屋の主人から金を引出したが、段々それが
嵩
(
かう
)
じて妙に
嫉妬
(
やきもち
)
を燒くやうになり、大口の金をせしめて、菊屋を殺す氣になつたのだ。
銭形平次捕物控:166 花見の果て
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
萬七とガラツ八の爭ひの
嵩
(
かう
)
ずるのを
惧
(
おそ
)
れて、お品がそつと人を走らせ、笹野新三郎に助けを求めたのでした。
銭形平次捕物控:024 平次女難
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
手數のいらない女癖が
嵩
(
かう
)
じ、若い下女などは、三月とも居付かないといふから達者なものでせう。
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
摘
(
つ
)
み
綿
(
わた
)
の師匠などが、
碁
(
ご
)
會所や
床屋
(
とこや
)
の男達のクラブに相對して、
蓮葉
(
はすつぱ
)
娘達の寄合ひ場所になつてゐた頃、縁結びから
嵩
(
かう
)
じて、附け文ごつこにまで發展し、町内から隣町へかけての
銭形平次捕物控:311 鬼女
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「それが
嵩
(
かう
)
じて到頭、昨夜の縁臺の獨り月見で、主人の金兵衞半死半生の目に逢つた」
銭形平次捕物控:261 弱い浪人
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「わかつた、八。こいつは俺の言ひ過ぎだ、勘辨してくれ。ツイ冗談が
嵩
(
かう
)
じたんだ」
銭形平次捕物控:224 五つの壺
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
口惜しさが
嵩
(
かう
)
じて、飛出さうと思ひましたが、私が飛出したところで、驚くやうなお染ではございません、兎も角も父親に見せる積りで、母屋へ入つて父親の部屋に聲を掛けますと
銭形平次捕物控:260 女臼
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
これは清兵衞のためには恩も義理もある
香具師
(
やし
)
仲間の大親分星野屋駒次郎の忘れ形見で、二人は當然お客樣扱ひで暮すべき筈ですが、姉のお北が美し過ぎるため、女房お杉の
嫉妬
(
しつと
)
が
嵩
(
かう
)
じて
銭形平次捕物控:180 罠
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
昨夜はそれが
嵩
(
かう
)
じて、あの通り薄化粧に
長襦袢
(
ながじゆばん
)
の此上もない
艶
(
なま
)
めかしい姿で、酒まで用意して文三郎を引入れた、——十八になつた文三郎が、年増女の恐しい
誘
(
さそ
)
ひを振り切ることも出來ず
銭形平次捕物控:182 尼が紅
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
曾
(
かつ
)
ては淺草で左官をして居た彦兵衞、飮む、打つの道樂が
嵩
(
かう
)
じて、一時は巾着切の仲間にまで身を落しましたが、今から五年前、別れてゐた女房の末期の
諫
(
いさ
)
めに、
飜然
(
ほんぜん
)
として本心に立ち
還
(
かへ
)
り
銭形平次捕物控:075 巾着切の娘
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
白旗
(
しらはた
)
直
(
なお
)
八は如才なく仲裁説を出しました。昔は板倉屋の札旦那の伜でしたが、道樂が
嵩
(
かう
)
じて勘當され、今では伴三郎の用心棒にもなれば、太鼓も打つといつた御家人崩れの、これも三十男です。
銭形平次捕物控:054 麝香の匂ひ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
考へ込んでゐると言つた、世にいふ
氣欝
(
きうつ
)
の
嵩
(
かう
)
じた症状だつたのです。
銭形平次捕物控:122 お由良の罪
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「そいつは危いぜ、親分、辻斬は大抵、腕自慢が
嵩
(
かう
)
じた野郎だ」
銭形平次捕物控:068 辻斬綺談
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
それが
嵩
(
かう
)
じて勘當されることになつたのでせう。
銭形平次捕物控:132 雛の別れ
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
嵩
漢検準1級
部首:⼭
13画
“嵩”を含む語句
水嵩
嵩高
荷嵩
気嵩
嵩山
金嵩
年嵩
嵩張
一嵩
亀嵩
皇甫嵩
曹嵩
嵩間
嵩谷
嵩張物
御嵩
嵩山正直
嵩山寺
嵩増
姥嵩
...