“綿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わた84.4%
めん10.4%
カボック2.6%
カポック1.3%
ワータ1.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
頃(ころ)しも一月の初(はじめ)つ方(かた)、春とはいへど名のみにて、昨日(きのう)からの大雪に、野も山も岩も木も、冷(つめた)き綿(わた)に包まれて、寒風坐(そぞ)ろに堪えがたきに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
彼の後(うしろ)に取り残された一本の柳を盾(たて)に、彼は綿(めん)フラネルの裏の付いた大きな袋を両手で持ちながら、見物人を見廻した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
怒鳴り疲れた妻が一寸(ちょっと)息を切って椰子水に咽喉を潤おす段になって、やっと、今迄盛んに空中に撒き散らされた罵詈が綿(カボック)の木の棘の様にチクチクと彼の皮膚を刺すのを感じた。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
綿(カポック)の木と椰子(ヤシ)との密林を行けば、地上に淡紅色の昼顔が点々として可憐だ。
あの玄関番、しゃれているのねえ、雪のことを、つめたい綿と、云ったのね、と。それをきいて素子は大笑いした。冷たい(ホーロドノ)・綿(ワータ)ではなくて、玄関番は、ちょっと寒いめですね、と云ったのだった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)