“綿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
わた83.8%
めん10.8%
カボック2.7%
カポック1.4%
ワータ1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
しも一月の、春とはいへど名のみにて、昨日からの大雪に、野も山も岩も木も、綿に包まれて、寒風ろに堪えがたきに。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
彼のに取り残された一本の柳をに、彼は綿フラネルの裏の付いた大きな袋を両手で持ちながら、見物人を見廻した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
怒鳴り疲れた妻が一寸息を切って椰子水に咽喉を潤おす段になって、やっと、今迄盛んに空中に撒き散らされた罵詈が綿の木の棘の様にチクチクと彼の皮膚を刺すのを感じた。
南島譚:02 夫婦 (新字新仮名) / 中島敦(著)
綿の木と椰子との密林を行けば、地上に淡紅色の昼顔が点々として可憐だ。
あの玄関番、しゃれているのねえ、雪のことを、つめたい綿と、云ったのね、と。それをきいて素子は大笑いした。冷たい綿ではなくて、玄関番は、ちょっと寒いめですね、と云ったのだった。
道標 (新字新仮名) / 宮本百合子(著)