“木綿”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
もめん84.1%
ゆふ3.7%
ユフ3.7%
ゆう3.7%
きわた0.9%
めん0.9%
わた0.9%
デイミン0.9%
モメン0.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
古道具屋のおやじさんは、ひざかけの古けっとの下から、うこん木綿もめんの財布をとりだして、チャラチャラ銅銭の音をさせております。
眠り人形 (新字新仮名) / 野村胡堂(著)
秋萩を妻鹿こそ、一子ひとりごに子たりといへ、鹿児かこじもの吾が独子ひとりごの、草枕旅にし行けば、竹珠たかだましじき垂り、斎戸いはひべ木綿ゆふでて、いはひつつ吾が思ふ吾子あこ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
領巾は木綿ユフから出発してゐて、此を纏きつけるところから、かづらと同じ効果を現すもの、と考へてよからうと思ふ。
はちまきの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
真子まなごなす御神の子等は、木綿ゆうあさね髪らし、胸乳むなぢをしあらはし出だし、裳緒もひもをばほとに押し垂れ、歌ひ舞ひ仕へまつらふ、今日の尊さ
墨汁一滴 (新字旧仮名) / 正岡子規(著)
御者は縦横に鞭をふるいて、激しく手綱をい繰れば、馬背の流汗滂沱ぼうだとしてきくすべく、轡頭くつわづらだしたる白泡しろあわ木綿きわたの一袋もありぬべし。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そのかわりに、ずいぶんな古物で、時の破壊力そのものにさえも慈悲をかけられているような、天にも地にも一枚看板の、木綿めんまじりの寛衣へやぎにくるまって過すことにした。
外套 (新字新仮名) / ニコライ・ゴーゴリ(著)
深山幽僻しんざんいうへきの地なればかひこはもとより木綿わたをもしやうぜざるゆゑ、衣類いるゐとぼしき事おしてしるべし。
低い所には、とび色のジャケツに木綿デイミンの袖をつけて、青い靴下をはいている若い芸術家たちの群れが、顔を薄くあからめて伏目がちな娘たちの腰に腕をまいて親しそうに押し合っています。
それでも本当の木綿モメンがいいと思ってこれにしました。この雨があがったら送り出そうと思っているのですが、今になってよく降ることね、本梅雨ね。