木綿ゆふ)” の例文
秋萩を妻鹿こそ、一子ひとりごに子たりといへ、鹿児かこじもの吾が独子ひとりごの、草枕旅にし行けば、竹珠たかだましじき垂り、斎戸いはひべ木綿ゆふでて、いはひつつ吾が思ふ吾子あこ
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
住の江の松に夜深く置く霜は神のけたる木綿ゆふかづらかも
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
木綿ゆふつけし白き骨箱、 哭きぶもけはひあらじを。
文語詩稿 五十篇 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
梓弓あづさゆみすゑはし知らず然れどもまさかは君にりにしものを」(巻十二・二九八五)、「しらがつく木綿ゆふは花物ことこそは何時いつのまさかも常忘らえね」(同・二九九六)
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
祝子はふりこ木綿ゆふうち紛ひ置く霜はにいちじるき神のしるしか
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)
みんなは木綿ゆふの白衣をつけて
春と修羅 第二集 (新字旧仮名) / 宮沢賢治(著)
神人かんびとの手に取り持たる榊葉さかきば木綿ゆふかけ添ふる深き夜の霜
源氏物語:35 若菜(下) (新字新仮名) / 紫式部(著)