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木綿島村
読み方 | 割合 |
もめんじまむら | 50.0% |
もめんしまむら | 50.0% |
經て駿州
木綿島村へ十月十五日に着たりける然るに
甚太夫は
平常痰持にて急にせり
迫けるが三四日の内に思ひの外
全快し先
常體なれば夫婦は
早速對面なせしに甚太夫は兩人が
遠方の所を
むら百姓文藏と申者に候が是なる妻の里
木綿島村の父が急病ゆゑ
見舞に
罷り
越候間何卒御慈悲にて御通し下され候樣願ひ奉つると
言ければ彼の侍士は點頭其は
不便の事なり此
儘引立行時は御法通り
磔けなれば何卒助けて
遣し
度と
暫し工風の
體に見えしが汝等
親孝行の
志ざしにめで我一
了簡を
然るに
或日五十歳ばかりの男來りて忠兵衞に
逢私し事は
木綿島村の甚太夫殿より頼まれて來りし者なるがお時樣の
父公甚太夫殿此節
俄に大病とて
打臥居られ候間此
由お時樣へ御咄し下さるべしと申
故忠兵衞は
早速に此段を