“痰持”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
たんもち60.0%
たんも40.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
て駿州木綿島村もめんじまむらへ十月十五日に着たりける然るにじん太夫は平常へいぜい痰持たんもちにて急にせりつめけるが三四日の内に思ひの外全快ぜんくわいし先常體つねていなれば夫婦は早速さつそく對面なせしに甚太夫は兩人が遠方ゑんぱうの所を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
父の痰持たんもちは僕の生れる前からであつた。祖父が隠居してから楽みに飼つたこひが、水が好いので非常に殖え、大きな奴がいつも沢山泳いでゐた。雪がもう二三度降つてからのことであつたさうである。
念珠集 (新字旧仮名) / 斎藤茂吉(著)
……俺の父、甚右衛門の長煩ながわずらいを、どうして御存知か、蕗のとうは、痰持たんもちに無二の薬、病人にやるがよいと、下されたのだ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「金五。——そなたの家の御病人は近頃どうじゃの。この寒さでは持病もつのろう。蕗のとうは、痰持たんもちには無二の薬と聞いておる。煮るなと、汁に入れるなとして喰べさせてあげたがよい」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)