痰持たんも)” の例文
……俺の父、甚右衛門の長煩ながわずらいを、どうして御存知か、蕗のとうは、痰持たんもちに無二の薬、病人にやるがよいと、下されたのだ。
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「金五。——そなたの家の御病人は近頃どうじゃの。この寒さでは持病もつのろう。蕗のとうは、痰持たんもちには無二の薬と聞いておる。煮るなと、汁に入れるなとして喰べさせてあげたがよい」
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
と、その痰持たんもちが、痰の間にいった。
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)