“貫”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
つらぬ47.3%
23.7%
つら5.8%
かん3.6%
くわん3.6%
とお3.6%
ぬき2.2%
1.8%
がん1.3%
とほ1.3%
ぐわん0.9%
0.9%
おこな0.4%
かんぬき0.4%
つらぬく0.4%
つらね0.4%
どお0.4%
グワン0.4%
トオ0.4%
0.4%
ヌク0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
麦の畑をつらぬいた細い道は、向こうに見えるひょろ長いはんの並木に通じて、その間から役場らしい藁葺屋根わらぶきやね水彩すいさい画のように見渡される。
田舎教師 (新字新仮名) / 田山花袋(著)
家の周りの花園や畑や牧場や、其等それらを取り巻く野鳥野獣を棲息させて猟をする雑木林の中の小路を突きけて七・八丁も走りましたわ。
母と娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
森成さんの御蔭おかげでこの苦しみがだいぶ退いた時ですら、動くたびに腥いおくびは常に鼻をつらぬいた。血は絶えず腸に向って流れていたのである。
思い出す事など (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「私の災難を助けていただいた儀では……いわば一かんお借り申しているわけ。ご返礼に、お使いはいたしましょう」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
B あゝ、おほきにごろはいゝさうだ。最近さいきん報告はうこくれば、體量たいりやうが十二くわん三百五十もんめになつたさうだ。
ハガキ運動 (旧字旧仮名) / 堺利彦(著)
青年時代の何ものをも烈々と焼くか突きとおさずにはおかない情熱と、その時代を久しくつつんでいた真っ黒な懐疑と、当然
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
羽目はめには、天女——迦陵頻伽かりょうびんが髣髴ほうふつとして舞いつつ、かなでつつ浮出うきでている。影をうけたつかぬきの材は、鈴と草の花の玉の螺鈿らでんである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
その胸のあたりを、一突ひとつき強くくと、女はキャッと一声いっせい叫ぶと、そのまま何処どことも知らず駈出かけだして姿が見えなくなった。
月夜峠 (新字新仮名) / 水野葉舟(著)
やかたがわになってみれば、何千がんといっても多寡たか馬糧まぐさで、いてもしいものではあるまいが、でるにでられない蛾次郎と竹童こそ災難さいなんである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
借用したりとてかへしさへなせば我が一分も立又市之丞の志ざしもとほりて遣はすと云ものじつの大小を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
昔より云傳いひつたへたりまた里人の茶話ちやばなしにもあしたに出る日ゆふべに入る日もかゞやき渡る山のは黄金千兩錢千ぐわんうるしたる朱砂しゆしやきんうづめありとは云へどたれありて其在處ありどころ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
「自身の涙を玉にそうと言いました伊勢いせもあなたがたと同じような気持ちだったのでしょうね」
源氏物語:49 総角 (新字新仮名) / 紫式部(著)
孔子曰く、しからず、予いつ以ておこな(行)う。(『孔子全集』、一九五四)
孔子 (新字新仮名) / 和辻哲郎(著)
取組は二本差しの朝の森をかんぬきめてるうち左外がけで押し倒される。出羽ヶ嶽星取表——●●●○
朗々のどかなりしもてのひらをかへすがごとくてんいかりくるひ、寒風ははだへつらぬくやり凍雪とうせついる也。
学校の規則もとより門閥もんばつ貴賤きせんを問わずと、表向おもてむきの名にとなうるのみならず事実にこの趣意をつらねき、設立のその日より釐毫りごうすところなくして
旧藩情 (新字新仮名) / 福沢諭吉(著)
えびざやの脇差が出る。柳鞘やなぎざやの大小が取り出される。さめづかのよろいどおし、あずき塗りの野太刀、白鞘、巻絵鞘、見ていると幾腰出るかわかりません。
江戸三国志 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
てまえも亡くなった父と東京とうけい見物に参ったさい、徐寧の家で見せて貰った薄ら覚えが残っていますが……なんでもそれは“ヤリトオサズノ鎖小札クサリコザネヨロイ”……とかいう物で、朱革しゅがわ鎧櫃よろいびつに入れ
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
思ふに「上り」を語原と主張する為には、五月幟風のき・吹き流しの類を「のぼり」と言うた確かな証拠が見出されてから、マタの御相談である。
まといの話 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
完了の助動詞の「ぬ」、「ヌマ」「ヌク」「ヌシ」「キヌ」などの「ヌ」は「奴」の類の文字で書いて、前の「怒」の類の文字では書かず、別の類に属する。
古代国語の音韻に就いて (新字新仮名) / 橋本進吉(著)