“浮出”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
うきだ53.8%
うきい15.4%
うかびいづ7.7%
うきいず7.7%
うきだし7.7%
うきで7.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
床から半身を抜出ぬけだしたまま、血にまみれて死んでいる恐ろしく魅惑的な美女——小杉卓二の愛人夢子の死骸をクッキリ浮出うきださせているのでした。
上草履うはざうり爪前つまさきほそ嬝娜たをやかこしけた、年若としわか夫人ふじんが、博多はかた伊達卷だてまきした平常着ふだんぎに、おめしこん雨絣あまがすり羽織はおりばかり、つくろはず、等閑なほざり引被ひつかけた、姿すがたは、敷詰しきつめた絨氈じうたん浮出うきいでたあやもなく
印度更紗 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
今わが胸に浮出うかびいづる葡萄棚の思出はかの浅間あさましき浅草にぞありける。二十はたちの頃なりけり。
葡萄棚 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
日はりて東窓の部屋のうちやゝ暗く、すべての物薄墨色になって、暮残りたるお辰白き肌浮出うきいずる如く、活々いきいきとした姿、おぼろ月夜にまことの人を見るように、呼ばゞ答もなすべきありさま
風流仏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
天然色浮出うきだし発声活動写真が、とうとう会話ばかりになってしまった。これじゃ下手なラジオか蓄音機と一緒だ。活弁もやって見るとナカナカ楽じゃないね。
ドグラ・マグラ (新字新仮名) / 夢野久作(著)
羽目はめには、天女——迦陵頻伽かりょうびんが髣髴ほうふつとして舞いつつ、かなでつつ浮出うきでている。影をうけたつかぬきの材は、鈴と草の花の玉の螺鈿らでんである。
七宝の柱 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)