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浮出
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うきだ
ふりがな文庫
“
浮出
(
うきだ
)” の例文
床から半身を
抜出
(
ぬけだ
)
したまま、血に
塗
(
まみ
)
れて死んでいる恐ろしく魅惑的な美女——小杉卓二の愛人夢子の死骸をクッキリ
浮出
(
うきだ
)
させているのでした。
奇談クラブ〔戦後版〕:03 鍵
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
勿論
(
もちろん
)
、描いた人物を
判然
(
はっきり
)
と
浮出
(
うきだ
)
させようとして、この
彩色
(
さいしょく
)
で
地
(
じ
)
を
塗潰
(
ぬりつぶ
)
すのは、
画
(
え
)
の手段に取って、
是
(
ぜ
)
か、
非
(
ひ
)
か、
巧
(
こう
)
か、
拙
(
せつ
)
か、それは菜の花の
預
(
あずか
)
り知る
処
(
ところ
)
でない。
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
折
(
おり
)
から
淡々
(
あわあわ
)
しい
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
、
鉄窓
(
てっそう
)
を
洩
(
も
)
れて、
床
(
ゆか
)
の
上
(
うえ
)
に
網
(
あみ
)
に
似
(
に
)
たる
如
(
ごと
)
き
墨画
(
すみえ
)
を
夢
(
ゆめ
)
のように
浮出
(
うきだ
)
したのは、
謂
(
いお
)
うようなく、
凄絶
(
せいぜつ
)
また
惨絶
(
さんぜつ
)
の
極
(
きわみ
)
であった、アンドレイ、エヒミチは
横
(
よこ
)
たわったまま
六号室
(新字新仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
これを
繞
(
めぐ
)
って飾られている火薬に、
朱書
(
しゅがき
)
された花火という字が茫然と
浮出
(
うきだ
)
している情景は、子供心に忘れられない記憶の一つで、暗いものの標語に花火屋の
行燈
(
あんどん
)
というが、全くその通りである。
亡び行く江戸趣味
(新字新仮名)
/
淡島寒月
(著)
曇日
(
くもりび
)
なので
蝙蝠
(
かほもり
)
は
窄
(
すぼ
)
めたまゝ
手
(
て
)
にしてゐる
故
(
せい
)
か、
稍
(
やゝ
)
小さい
色白
(
いろじろ
)
の顏は、ドンヨリした
日光
(
ひざし
)
の下に、まるで
浮出
(
うきだ
)
したやうに
際立
(
きわだ
)
ってハツキリしてゐる。頭はアツサリした
束髪
(
そくはつ
)
に
白
(
しろ
)
いリボンの
淡白
(
たんぱく
)
な
好
(
このみ
)
。
虚弱
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
▼ もっと見る
(
頗類西洋畫
(
すこぶるせいやうぐわにるゐす
)
。)とあるのを
注意
(
ちうい
)
すべし、
柱
(
はしら
)
も
壁
(
かべ
)
も、
青
(
あを
)
く
白
(
しろ
)
く
浮出
(
うきだ
)
すばかり。
画の裡
(旧字旧仮名)
/
泉鏡花
、
泉鏡太郎
(著)
折
(
をり
)
から
淡々
(
あは/\
)
しい
月
(
つき
)
の
光
(
ひかり
)
、
鐵窓
(
てつさう
)
を
洩
(
も
)
れて、
床
(
ゆか
)
の
上
(
うへ
)
に
網
(
あみ
)
に
似
(
に
)
たる
如
(
ごと
)
き
墨畫
(
すみゑ
)
を
夢
(
ゆめ
)
のやうに
浮出
(
うきだ
)
したのは、
謂
(
い
)
ふやうなく、
凄絶
(
せいぜつ
)
又
(
また
)
慘絶
(
さんぜつ
)
の
極
(
きはみ
)
で
有
(
あ
)
つた、アンドレイ、エヒミチは
横
(
よこ
)
たはつた
儘
(
まゝ
)
、
未
(
ま
)
だ
息
(
いき
)
を
殺
(
ころ
)
して
六号室
(旧字旧仮名)
/
アントン・チェーホフ
(著)
浮出
(
うきだ
)
したように真中へあらわれて、
後前
(
あとさき
)
に、これも肩から上ばかり、
爾時
(
そのとき
)
は男が三人、
一
(
ひと
)
ならびに松の葉とすれすれに、しばらく
桔梗
(
ききょう
)
刈萱
(
かるかや
)
が
靡
(
なび
)
くように見えて、
段々
(
だんだん
)
低くなって隠れたのを、何か
春昼
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
浮
常用漢字
中学
部首:⽔
10画
出
常用漢字
小1
部首:⼐
5画
“浮出”で始まる語句
浮出模様