かん)” の例文
「私の災難を助けていただいた儀では……いわば一かんお借り申しているわけ。ご返礼に、お使いはいたしましょう」
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
向こうは三百二十かんのほし草をつくりました。こちらは三百七貫のほし草をつくりました。
(新字新仮名) / 新美南吉(著)
食わねンだな、ホラ唐津出来の茶碗だ。五ツで二分と負けとこウ、これでも驚かなきゃ、ドンと三かん、ええッこの娘もそえもンで、弐拾五銭、いい娘だぜ、髪が赤くて鼻たらし娘だ!
清貧の書 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
最早もはや湯も水も咽喉のどに通らなくなって、この塩梅あんばいではアト十日と持つまい……という医師の宣告を聞くと、一同の代表みたような親友中の親友、青柳喜平氏が二十四かんの巨躯を押し出し
近世快人伝 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
門の廻りには敵は一人もいないので、錠前を打ちこわしてかんの木を抜いた。
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
その時の費用十二かん目を払ふことも、さう骨折らずに都合がついた。
上田秋成の晩年 (新字旧仮名) / 岡本かの子(著)
「旦那は重うございますね。二十かんから御ありでしょう」
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
そればかりか、織田おだ領地りょうちのほうでは、伊那丸いなまるをからめてきた者には、五百かん恩賞おんしょうをあたえるという高札こうさつがいたるところに立っているといううわさである。
神州天馬侠 (新字新仮名) / 吉川英治(著)