“ぬ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:
語句割合
28.0%
17.0%
10.1%
8.2%
6.9%
5.1%
4.9%
4.8%
3.3%
湿2.9%
(他:132)8.8%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
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このびしい空の下へれに出る宗助に取って、力になるものは、暖かい味噌汁みそしると暖かい飯よりほかになかった。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
台所からきよが持って来た含嗽茶碗うがいぢゃわんを受け取って、戸袋の前へ立って、紙が一面にれるほど霧を吹いた。
(新字新仮名) / 夏目漱石(著)
僕も早く、現在の環境からけ出して、劇団のまずしい一研究生として何もかも忘れて演劇ひとつに打ち込んでみたいと思った。
正義と微笑 (新字新仮名) / 太宰治(著)
如何いかにも器用きよういた草履ぞうり右手みぎてぎながら、こしの三尺帯じゃくおびへはさんで
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
あとで、みていた人達は、もう千メエトルあったなら、日本クルウは、英国をいていたかも知れない、と言ったそうです。
オリンポスの果実 (新字新仮名) / 田中英光(著)
やがておかしらのそばにすわっていたおにが、けに大きなこえうたうたしました。
瘤とり (新字新仮名) / 楠山正雄(著)
黒髪をわけたような青芒あおすすきの武蔵野をう一すじの青梅街道を、三ツ木、上宿と、二里ばかりあるくと、田無だった。
野槌の百 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
水はこの広い山岳地帯さんがくちたいってふもとへ流れるまでに十ケ所でせきとめられ、そこに一つずつ発電所がある。
超人間X号 (新字新仮名) / 海野十三(著)
泣粧きふしやうしたにのみうす白粉おしろい一刷ひとはけして、ぐいとぬぐく。
唐模様 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
そして全体をさわれないくらい熱くしておいて封蝋ふうろうり、その上をさらにすっぽり封蝋でつつんでしまうのである。
実験室の記憶 (新字新仮名) / 中谷宇吉郎(著)
やがて町はずれの狭く急なる曲がりかどを争うと見えたりしが、人力車くるまは無二無三に突進して、ついに一歩をきけり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
灯籠の前後には、こけ深き地をいて、名も知らぬ春の草が、浮世の風を知らぬ顔に、ひとり匂うて独り楽しんでいる。
草枕 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
「何をかす、こん畜生! ふざけた事を吐かさねえものだ! あんまりひどい悪口を云うと、この掛け小屋をぶち壊すぞ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「何んぢや、この鳩が俺のもんなら、この柿は貴さまのもんぢや? 阿呆あはうかせ。」と、獵師は呆れ返つた顏をした。
石川五右衛門の生立 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
陸稻をかぼめづらしいうち出來できるもんだわ、わりにやけねえが
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
で、腰掛こしかけあがんで、つき硝子窓がらすまどに、ほねいて凍付いてついてたのが
魔法罎 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
「モット落着いて……馬の腹を覘え、馬の腹と人の太股ふとももを打ちく気組みで……まだまだ、ズット近くへ来た時でいい」
火事は室町屋から出たので、今しも台所を吹きいて、二階の廊下を焼き抜いて、真紅まっかほのおがメラメラとのぼる。
大菩薩峠:05 龍神の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
雨に湿れ朽ちてはいたが、確かにそれと認められたので、〓はいよいよ悲しみ怒って、そのゆくえ捜索の決心をますます固めた。
昨夜は淵明が食を乞ふの詩を読みて、其清節の高きに服し、今夜は惨憺さんたんたる実聞をものして、思はず袖を湿らしけり。
鬼心非鬼心:(実聞) (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
『それはの、大きい兄さんがちいさい時に草角力くさずもうに出るのでこしらえたものだよ。よく見てごらん、名前がってあるずら』
虫干し (新字新仮名) / 鷹野つぎ(著)
地獄絵をうたうちかけもすそを長々とひきはえながら、天女のやうなこびこらして
きりしとほろ上人伝 (新字旧仮名) / 芥川竜之介(著)
山越やまごしかぜときじみちずいへなるいもをかけてしぬびつ 〔巻一・六〕 軍王
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
阿騎あき宿やど旅人たびびとうちなびきらめやもいにしへおもふに 〔巻一・四六〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
マルセーユへ上陸した夜、足の強直病にかかり腕を支えてくれたのも、この同じ黄鼬鼠の外套のくさだったと彼は思った。
旅愁 (新字新仮名) / 横光利一(著)
泥酔漢のんだくれのおくびと、殺人ひとごろしるい計画たくらみとにふりそそぐ雨。
東京景物詩及其他 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
おもしろきをばなきそ古草ふるくさ新草にひくさまじりひはふるがに 〔巻十四・三四五二〕 東歌
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
阿騎あき宿やど旅人たびびとうちなびきらめやもいにしへおもふに 〔巻一・四六〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
味鴨あぢの住む須佐すさの入江のこものあな息衝いきづかし見ずひさにして」(巻十四・三五四七)の用例がある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
秣草まぐさには刈りは刈るともかくのあやめは残せ枕ふべく
礼厳法師歌集 (新字旧仮名) / 与謝野礼厳(著)
「時雨のあめにれ通り」の句がこの歌を平板化から救って居るし、全体の具合から作者はこう感じてこう云って居るのである。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あしひきのやましづくいもつとわれれぬやましづくに 〔巻二・一〇七〕 大津皇子
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
櫻時分の雨の土堤にはなくてならない背景の一とつの樣に、茶屋の葭簀よしずれしよぼれた淋しい姿を曝してゐた。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
そのれた小犬を山の上の掛茶屋の柱に鎖で繋いでおいて、二人は踏んでも歩けそうな目の下一面の若楓を眺めて半日暮らしたりした。
木乃伊の口紅 (旧字旧仮名) / 田村俊子(著)
汗ばみれば心のざう牡丹花ぼたんくわの騒ぎ
第二邪宗門 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
無し、小床をどこ無し、
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
背子せこ大和やまとると小夜さよけてあかときつゆにわがれし 〔巻二・一〇五〕 大伯皇女
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
草原は水を打ったようにれている、夜半に雨が降ったのかも知れない、考えると何だかそのような気もする。
黒部川奥の山旅 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
苅薦かりごも一重ひとへきてされどもきみとしればさむけくもなし 〔巻十一・二五二〇〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あはれいかに今夜の月の照れるらむ君ひとりる窓の格子に八月七日
閉戸閑詠 (新字旧仮名) / 河上肇(著)
五 さあなされたら。ササは、動詞爲の敬語の未然形だろう。動詞の敬語をナスという類。
晝をさかさ蝙蝠よく見ればずるげなる目をあいてゐにけり
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
人間社会に善い事ならば、神様も、一も二もなく肩をおぎになる、と勝手ぎめをして居る。
神道の史的価値 (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
金色こんじきの冠、金色の髪の豊に垂れかゝる片肌は、白ゝといで美しい肩。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
誰がために見せる前髪ぞと、蘇門の百ヶ日が済んだ時、彼は惜気無く剃り落した。英落点々白芙蓉、紅も白粉もぎすてた雅びて凛々しい男姿は又一段と立ち勝って見えた。
稚子法師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
女はみな色の白い、美しい者ばかりで、身にはいろいろの色彩いろどりのある美服を着けていたが、いずれも後ろ手にくくり上げられて恐るおそるにかしらを垂れてひざまずくと、石上の男はかれらを一人ずつ自分の前に召し出して、下衣したぎがせて地にひき伏せ、むちをあげて打ち据えるのである。
それは殆んど折ることの出来ない程ごわごわした、金や宝石で重い様な着物で、その上には羽の生えた獅子や蛇などが紫水晶で刺繍ってあった。
大衆文芸作法 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
見ずや、きみ、やかなの鋭き匕首あいくちをもって、骨を削り、肉を裂いて、人性じんせいの機微をき、十七文字で、大自然の深奥しんおうこうという意気込の、先輩ならびに友人に対して済まぬ。
灯明之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
眞鍮しんちうへらそのくすりかみ塗抹つて患部くわんぶつてやつた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
――かくてこそ一家は円滑に、その営みはよく治まって参りますが、仮に、その家の主が、ともなりともなり、独りですべてをなそうとしたらどうなりましょう。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ありがとうございます。――たとえば、一家の営みを見ましても奴婢ぬひがおれば、は出でて田を耕し、は内にあってあわかしぐ。――鶏はあしたを告げ、犬は盗人の番をし、牛は重きを負い、馬は遠きに行く。
三国志:11 五丈原の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
朝柏あさがしはうる八河辺はかはべ小竹しぬのしぬびて宿ればいめに見えけり 〔巻十一・二七五四〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
此歌は「しぬびて宿ればいめに見えけり」だけが意味内容で、その上は序詞である。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
その盲官のことは、くはしく書くと際限もありませんが、この物語に必要な程度だけ、ほんの概略がいりやくくと、――盲人の官途は四階十六官、七十三こくと定められて居ります。
それを引分ひきわけうとて拔劍きましたる途端とたんに、のチッバルトの我武者がむしゃめがけんいて駈付かけつ
チッバ 小僧わっぱめ、それが無禮ぶれい辨解いひわけにはならぬぞ。もどって拔劍け。