)” の例文
吉隠よなばり浪柴なみしば」は、大和磯城しき郡、初瀬はせ町の東方一里にあり、持統天皇もこの浪芝野なみしばぬのあたりに行幸あらせられたことがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
さよばひにが来ればたなぐもり雪は降り来ぬ、さぐもり雨は降り来ぬ、つ鳥、きぎすはとよむ、家つ鳥、かひも鳴く。
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
さうすると、おほくめのみことうたも、片歌かたうた音數おんすうして、はやうたはれたものとおもふほかはありません。最初さいしよ一句いつくは、『やまとのたかさじ』の十音じゆうおんから出來できてゐます。
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
万葉歌の中にはスミレが出ているから、歌人かじんはこれに関心を持っていたことがわかる。すなわちその歌は、「春のにすみれみにとあれぞ、をなつかしみ一夜ひとよ宿にける」
植物知識 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
ひむがしのにかぎろひのたつ見えてかへり見すれば月かたぶきぬ
桃の雫 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
でも、現代では、かざらしの花のえましさの見えるのも、複雑多彩な光照によってであるし、ひと花ひと花とつみ集めて編まれるかざらしも、ゆき山ゆきというより遙に深い含蓄をこめたものです。
春の陽を豊かに浴びてさつ鳥雉子きぎしもはら砂浴びてゐる
河馬 (旧字旧仮名) / 中島敦(著)
山と精霊いきすだま
新頌 (新字旧仮名) / 北原白秋(著)
第三句、「夏草の」を現実の景と解する説もあるが、これは、「夏草の靡き」の如きから、「」と「」との同音によって枕詞となったと解釈した。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
……(朗読)隠口こもりく泊瀬はつせの国に、さよばひにが来れば、たなぐもり雪は降り来ぬ、さぐもり雨は降り来ぬ、つ鳥きぎすはとよむ、家つ鳥かひも鳴く、さ夜は明けこの夜は明けぬ
浮標 (新字旧仮名) / 三好十郎(著)
秋の七種ななくさの歌は著名なもので、『万葉集』巻八に出て山上憶良やまのうえのおくらが咏んだもので、その歌は誰もがよく知っている通り、「秋のきたる花をおより、かき数ふれば七種の花」
植物一日一題 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
やまとの たかさじを、なゝく をとめども。たれをしまかむ(おほくめのみこと
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
山と精靈いきすたま
新頌 (旧字旧仮名) / 北原白秋(著)
ひむがしのにかぎろひのえてかへりすればつきかたぶきぬ 〔巻一・四八〕 柿本人麿
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
あすよりは 春菜はるなまむとめしに、きのふも 今日けふも ゆきりつゝ
歌の話 (旧字旧仮名) / 折口信夫(著)
「おもしろきをば焼きそ……」だ。此でよいのだ。
死者の書:――初稿版―― (新字旧仮名) / 折口信夫(著)
「おもしろきをば 焼きそ」だ。此でよいのだ。
死者の書 (新字新仮名) / 折口信夫(著)