“田野”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
でんや66.7%
のら8.3%
いなか8.3%
たの8.3%
たはた8.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
佐々と前田の戦争は、ことしも吉例のように四、五月頃から諸所に兵火をあげ、相互に、一じょうるいを奪いあって、馬蹄ばていにかからぬ田野でんやもなかった。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さあ、その烈しい労働をるからでも有ましょう、私の叔母でも、母親おふくろでも、強健つよ捷敏はしこい気象です。私は十三のとしから母親にいて田野のらへ出ました。
旧主人 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
、こうして行軍したものだが、まだいちども田野いなかの郷民が、こんなに王軍へ歓呼するような景色に出会ったことはない……。これがまことの野の声というものか
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ここらあたりにもまた沢山たくさんの湯がわいておる。湯坪ゆつぼという村にはすじ湯、大岳おおたけ地獄、疥癬ひぜん湯、河原の湯、田野たのという村には星生ほっしょうの湯、中野の湯、かんの地獄、うけくち温泉というのがある。
別府温泉 (新字新仮名) / 高浜虚子(著)
なんじらの穀物こくもつかるときには汝等なんじらその田野たはた隅々すみずみまでをことごとかるべからずまたなんじ穀物こくもつ遺穂おちぼひろうべからずまたなんじ菓樹園くだものばたけくだもの取尽とりつくすべからずまたなんじ菓樹園くだものばたけおちたるくだもの
聖家族 (新字新仮名) / 小山清(著)