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袒
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ぬ
ふりがな文庫
“
袒
(
ぬ
)” の例文
「青年小説家の泰斗」たる「谷崎氏」が旧友のために一と肌
袒
(
ぬ
)
いで金を作つてやつたと云ふ風に、私ばかりがひどく器量を上げてゐるのである。
青春物語:02 青春物語
(新字旧仮名)
/
谷崎潤一郎
(著)
人間社会に善い事ならば、神様も、一も二もなく肩をお
袒
(
ぬ
)
ぎになる、と勝手ぎめをして居る。信仰の代りに合理の頭で、万事を結着させてゆかうとする為である。
神道の史的価値
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
此
日本
(
やまと
)
の国の人とは思はれぬ。だが、自分のまだ知らぬこの国の
男子
(
をのこご
)
たちには、あゝ言ふ方もあるのか知ら。
金色
(
こんじき
)
の冠、金色の髪の豊に垂れかゝる片肌は、白ゝと
袒
(
ぬ
)
いで美しい肩。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
此
日本
(
やまと
)
の国の人とは思われぬ。だが、自分のまだ知らぬこの国の
男子
(
おのこご
)
たちには、ああ言う方もあるのか知らぬ。金色の
鬢
(
びん
)
、金色の髪の豊かに垂れかかる片肌は、白々と
袒
(
ぬ
)
いで美しい肩。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
黒ずんだり、薄暗く見えたりした隈が、次第に凝つて、明るい光明の中に、胸、肩、頭、髪、はつきりと形を
現
(
げん
)
じた。白々と
袒
(
ぬ
)
いだ美しい肌、浄く伏せたまみが、郎女の寝姿を見おろして居る。
死者の書:――初稿版――
(新字旧仮名)
/
折口信夫
(著)
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黒ずんだり、薄暗く見えたりした隈が、次第に凝り初めて、明るい光明の中に、胸・肩・頭・髪、はっきりと形を
現
(
げん
)
じた。白々と
袒
(
ぬ
)
いだ美しい肌。
浄
(
きよ
)
く伏せたまみが、
郎女
(
いらつめ
)
の寝姿を見おろして居る。
死者の書
(新字新仮名)
/
折口信夫
(著)
袒
漢検1級
部首:⾐
10画
“袒”を含む語句
偏袒
左袒
袒裼
偏袒右肩
左袒方
片袒
臂袒
袒免