宿)” の例文
朝柏あさがしはうる八河辺はかはべ小竹しぬのしぬびて宿ればいめに見えけり 〔巻十一・二七五四〕 作者不詳
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
此歌は「しぬびて宿ればいめに見えけり」だけが意味内容で、その上は序詞である。やはり此巻に、「秋柏潤和川辺うるわかはべのしぬのめの人にしぬべば君にへなく」(巻十一・二四七八)というのがある。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)
山部赤人の歌に、「印南野いなみぬ浅茅あさぢおしなべさ宿る夜の日長けながくあれば家し偲ばゆ」(巻六・九四〇)というのがあるが、此歌と関係あるとすると、黒人の此一首も軽々に看過出来ないこととなる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)