“宿世”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
すくせ70.5%
すぐせ15.9%
スクセ6.8%
しゆくせ4.5%
しゅくせ2.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「夜があけると、その男が、こうなるのも大方宿世すくせの縁だろうから、とてもの事に夫婦みょうとになってくれと申したそうでございます。」
(新字新仮名) / 芥川竜之介(著)
この二人ふたり婦人おんなは、民也たみやのためには宿世すぐせからのえんと見える。ふとした時、思いも懸けない処へ、夢のように姿をあらわす——
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
枚岡ヒラヲカイツき姫にあがる宿世スクセを持つて生れた者ゆゑ、人間の男は、彈く、彈く、彈きとばす。近よるまいぞよ。はゝはゝゝ。
死者の書 (旧字旧仮名) / 折口信夫釈迢空(著)
見て扨々さて/\まことに以て御芳志はうしの段有難き仕合なり然れども此度の災難さいなんかく成行なりゆく宿世しゆくせ業因ごふいんなれば誰をうらみ彼を恨みんとは存じ申さず煙草たばこ入を落せしことが我があやまりなりかゝる大金を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
何事も宿世しゅくせの因縁なりかし。初手しょては唯かりそめのちぎりとしぬれば人にいはれぬ深きわけ重なりてまことの涙さそはるる事もぬるなり。これらをや迷の夢と悟りし人はいふなるべし。
矢はずぐさ (新字旧仮名) / 永井荷風(著)