宿世すぐせ)” の例文
この二人ふたり婦人おんなは、民也たみやのためには宿世すぐせからのえんと見える。ふとした時、思いも懸けない処へ、夢のように姿をあらわす——
霰ふる (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
つかい果たして死ぬのは、十一の時から育てられた旦那様に済まねえけれど、どうか御勘弁なすって下さい、己もお前も親はなし、親族みよりも少い体で斯うなるのは全く宿世すぐせの約束だなア
業平文治漂流奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
かくて浮ぶるわが「宿世すぐせ」、瞳とほれる手弱女たをやめ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
あなきぬ、『宿世すぐせ』のあし
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
忍ぶにあまる宿世すぐせかな
藤村詩抄:島崎藤村自選 (旧字旧仮名) / 島崎藤村(著)
二人ふたり婦人をんなは、民也たみやのためには宿世すぐせからのえんえる。ふとしたときおもひもけないところへ、ゆめのやうに姿すがたあらはす——
霰ふる (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)
悲しき宿世すぐせ泣きなむも、はたまたここに。
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
宿世すぐせたり、はなうばら。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)
われとわが宿世すぐせをしのぶ
有明集 (旧字旧仮名) / 蒲原有明(著)
宿世すぐせは似たり花うばら。
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
さても相似あひに宿世すぐせや。
白羊宮 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫薄田淳介(著)