-
トップ
>
-
宿世
>
-
しゆくせ
見て
扨々誠に以て御
芳志の段有難き仕合なり然れども此度の
災難かく
成行も
宿世の
業因なれば誰を
恨み彼を恨みんとは存じ申さず
煙草入を落せしことが我が
誤りなり
斯る大金を
玉の
姫樣御出生と
聞きも
敢へず、
散るや
櫻の
我が
名空しく
成ぬるを、
何處に
知りてか
六三天地に
哭きて、
姫が
命は
我れ
故と
計、
短かき
契りに
淺ましき
宿世を
思へば、
一人殘りて
我れ
何とせん