“浅茅”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あさじ56.0%
あさぢ44.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
さて、旧街道を——庫裡くりを一廻り、寺の前から——路をうずめた浅茅あさじを踏んで、横切って、石段下のたらたらざかを昇りかかった時であった。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
当時公園の亭座敷ちんざしきに住む九里氏のもとへ早速相談に行った処、ここへ逃げて来てはという事になり、私は荷物一切車に積んで浅茅あさじはらへとのがれました。
楢重雑筆 (新字新仮名) / 小出楢重(著)
「でもまるで浅茅あさぢ宿やどよ。でなけや、こほろぎの家よ。あの時、畳の上一面にぴよんぴよん逃げまはつたこほろぎはまあどうでせう。恐しいほどでしたわ」
「春日野の浅茅あさぢがうへに思ふどち遊べる今日は忘らえめやも」(巻十・一八八〇)という歌を見ても分かる。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)