)” の例文
盲目にするつもりか。こうこう俺のこの眼はな二つながらちゃんと見えるんだぜ。節穴だと思うと間違うぞ。さあかせ何を笑った?
神州纐纈城 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
「こいつ、さんざん人に悪たいをついていながら、今度は教えてくれなんて、虫のいいことをかしやがる。そんな番をしているか」
宮本武蔵:05 風の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
藤八 まだそんなことをかしやがるか、おかみさんは留守だというのが判らねえか、よしんば居た処で、乞食婆に会う用はねえ、帰れ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
かした。残念なことに皆箱根名物と銘が打ってある。菊太郎君は日光へ行ったのだから、一品も家へ持って帰ることが出来なかった。
勝ち運負け運 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「なにをかす、うぬこそ裾っぱりで灰汁あくのえごい、ひっりなしで後せがみで、飽くことなしのすとき知らず、夜昼なしの十二ときあまだ」
若殿女難記 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
「人殺し? この野郎め! 黙っていりゃ勝手なことをかしやがって、おれがいつそんな人殺しのようなことをした?」
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「何を、ふざけたことをかしゃアがる、れたのれたのと、そ、そんな——聞きたくもねえや。やい、どけッ! 退かなきゃ蹴殺けころすぞッ!」
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
と冗談みたいにかしおってね……しかも、その顔付きたるや、断じて冗談じゃないんだ。たしかにまだ試験のうちらしい面構つらがまえをしてケツカルんだ。
焦点を合せる (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「岩倉三位殿に献上!」「岩倉三位殿に献上!」とかして、決して、「がんりきの百様へ進上!」「がんりきの百様へ進上!」とは聞えなかった。
大菩薩峠:41 椰子林の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
クラシノフ はっはっは、洒落たことをかしたね。商売道具を持ってついて来たまえ。一緒にやろうじゃないか。
なに、けつげうに吠ゆだと——此奴こいつ生意気をかす、俺を桀のだとは失敬極まる——、此奴こやつめ、ワンワン/\/\
犬物語 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
「こら、滿場一致で否決しましたと、何んでかしやがらんのかい。」と、青六を追つて行つた傍聽人があつた。
太政官 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
「利いた風なセリフかすないッ。うぬこそしつこいじゃねえか。おいらの馬にこそ乗りたがっていらッしゃるんだ。邪魔ッ気な真似するとひッぱたくぞ」
ちくいふなきれえだから、そんだがあの阿魔あまもづう/\しい阿魔あまだ、此間こねえだなんざおつかこたおもさねえかつちつたら、おもさねえなんてかしやがつて
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
馬鹿あかせ、三銭のうらみ執念しゅうねんをひく亡者もうじゃ女房かかあじゃあてめえだってちと役不足だろうじゃあえか、ハハハハ。
貧乏 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
「それがまたおかしいのさ。馬鹿は馬鹿だけの手前勘で、お光さんのことを俺のレコだろうって、そうかしやがるのさ、馬鹿馬鹿しくって腹も立てられねえ」
深川女房 (新字新仮名) / 小栗風葉(著)
「オランダ人どもは、御忠節の、御奉公筋のと、しおらしいことをかしておるが、これで底が知れた」
ひどい煙 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
それに、あの編笠野郎は、余程深い仔細しさいがあると見えて、自分からも言いません——とこうかしやがる
判然はっきり言え、判然、ちゃんと口上をもってかせ。うん、番頭に、番頭に、番頭に、何だ、金子かねを払え?……黙れ! 沙汰過ぎた青二才、)と可恐おそろしい顔になった。
南地心中 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「無茶苦茶じゃ。謝りもせんと、云いたい事をかす。もう辛抱が出来ん。わしは告訴する」
罠に掛った人 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
私は、それをくと、もう、むらむらとなった。そして、腹の中で、「何をかしやがる。盗人ぬすっと猛々たけだけしいとは、その言い分である」と、思ったが、それはじっとおさえて口には出さず
狂乱 (新字新仮名) / 近松秋江(著)
昨夜ゆうべから今朝けさにかけて、待て、待たんを繰り返すばかりだ。いつたい、何時まで待てばいゝのかと訊くと、やつこさん、にやにや笑いながら、それが自分にも見当がつきかねるとかすんだ。
この握りめし (新字新仮名) / 岸田国士(著)
熊「フヽム左様そうよ、彼女やつ来てくれとかしアがッてよ、おいらが面を見せなけりゃア店も引くてえんだ、本ものだぜ、鯱鉾しゃちほこだちしたって手前達てめえたちに真似は出来ねえや、ヘンんなもんだい」
「去年来た洋人いじんさんは、五両ずつくれったっけなァ」などとかす。
本州横断 癇癪徒歩旅行 (新字新仮名) / 押川春浪(著)
「何だと……何とかした? この藤田重右衛門に……」
重右衛門の最後 (新字旧仮名) / 田山花袋(著)
「何かしやがる、らさうに。打擲どやしつけるぞ!」
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
「やよ、顔子狗。なんとかかせ」
鬼仏洞事件 (新字新仮名) / 海野十三(著)
(何を、かしゃあがる)
南国太平記 (新字新仮名) / 直木三十五(著)
と、かす。
河童酒宴 (新字旧仮名) / 佐藤垢石(著)
かせ。この天城四郎を善人だといった奴は、天下にうぬをもって嚆矢こうしとする。第一、俺にとって大なる侮辱だ。おれは悪人だ、大盗だ
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
黙れ黙れえい老耄おいぼれ! 場所もあろうに他人ひとの前、吾を大盗とかしたな! 虎狼の心を抱いた姿と吾に雑言ぞうごんしたからには虎狼の姿を
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
、それだけ出さんとかしおったら構う事アない。あの座敷にお獅子様を担ぎ込むんよ。例の魚血なまぐさを手足に塗りこくって暴れ込むんよ……久し振りにナ……
いなか、の、じけん (新字新仮名) / 夢野久作(著)
「やい、岡っ引め、俺が怪しいってかしたのは誰だ。冗談じゃねえ。酒は飲むが、薬と素人浄瑠璃は大嫌いな俺だ。毒薬なんか頼まれたって人に盛るかい、間抜けめ」
雲助の御威光、こうまでに衰えたか、とあんまり強腹ごうはらだから、ちと凄味すごみに、厭だとかしや、と押被おっかぶせて、それから、もし、あの胸にかけていやす、その新しいつとの中を
わか紫 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「よけいなことをかしくさる! たった今その舌の根をとめてつかわすからそう思え!」
丹下左膳:01 乾雲坤竜の巻 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「あゝ、『はもの皮を御送り下されたく候』と書いてあるで……何かしやがるのや。」
鱧の皮 (新字旧仮名) / 上司小剣(著)
「やい、六平、かさねえと、この屋台へ火をつけてやしてしまうからそう思え」
「何ぢや、失敬な事かす、」と肱枕君はむつくと起直りてわざとらしく拳を固め
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)
欽蔵 馬鹿かせ。子供をおぶふぐらゐのこたあ、おれにだつて出来ら。
家族うち奴等やつらげなんざぐづ/\はあせねえだ、ぢや元日ぐわんじつにやくれえにきて、みのて、圍爐裏端ゐろりばたいもえてくふ縁起えんぎなんだが、奴等やつら外聞げえぶんわりいからだなんてかしやがつから、
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
七五郎 だって、お前、図々ずうずうしく、居ねえなんてかすからよ。
瞼の母 (新字新仮名) / 長谷川伸(著)
長「生意気なことをかしやアがるとたゝなぐるぞ」
名人長二 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
「頭の押え手がないから、勝手なことをかす」
ガラマサどん (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
「何をかしやがるんだ? たわけめ!」
恐怖城 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
「愚図々々かすと、只じゃ置かないぞ」
支倉事件 (新字新仮名) / 甲賀三郎(著)
めたことを言やがるんで、つい業腹ごうはらわめいたんですよ。……人の売り物に、しびれ薬が入れてあるなんてかしゃあがるんで
新・水滸伝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「何をかす、こん畜生! ふざけた事を吐かさねえものだ! あんまりひどい悪口を云うと、この掛け小屋をぶち壊すぞ!」
八ヶ嶽の魔神 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
……おまけに後で船長おとっさん告訴いいつけてやるから……とか何とかかしやがったんでイヨイヨ助けておけないと思って、首ッ玉をギューッと……まったくなんで……ヘエ……
難船小僧 (新字新仮名) / 夢野久作(著)
それとも半纏着はんてんぎは看板に障るから上げねえ、とでもかして見ろ。河岸から鯨を背負しょって来て、てめえとこで泳がせるぞ、浜町界隈かいわい洪水だ。地震より恐怖おっかねえ、屋体骨やていぼねは浮上るぜ。
婦系図 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
そう毎晩、毎晩、首根っこの白いねえやと酒じゃあ、帰りの五十三次が十次も来ねえうちに、素寒貧すかんぴんになるのあ知れきってるって——やい、すると手めえは、何とかしゃがった。
口笛を吹く武士 (新字新仮名) / 林不忘(著)