“吐月峰”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
はいふき77.3%
とげっぽう9.1%
はひふき9.1%
とげつほう4.5%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
初夏のけ除け、とぐろを巻いた縁側から、これも所在なく吐月峰はいふきばかり叩いている平次に、一とかど言い当てたつもりで声を掛けたのでした。
細道の左右に叢々たる竹藪が多くなってやがて、二つの小峯が目近くそびえ出した。天柱山に吐月峰とげっぽうというのだと主人が説明した。
東海道五十三次 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
伯父は気分でも悪かつたのか、始めから気むづかしい苦りきつた顔をして、太い銀の煙管で力強く吐月峰はひふきを叩きながら、時々私の顔をめつける様に見て居た。
世の中へ (新字旧仮名) / 加能作次郎(著)
あすこには灰吹はいふきがないそうだ。僕の友人があすこへ奉職をしている頃吐月峰とげつほういんのある灰吹きを買いに出たところが、吐月峰どころか、灰吹と名づくべきものが一個もない。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)