“勃”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
むつ33.3%
ぼつ22.2%
たか11.1%
ぼっ11.1%
11.1%
むつく11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『マア此人は!』と、富江はしたゝか昌作の背を平手でどやしつけた。昌作は赤くなつた顏をむつとした樣に口を尖らした。
鳥影 (旧字旧仮名) / 石川啄木(著)
老人越遊ゑついうすゝめしこと年々なり。もとより山水にふけるへきあり、ゆゑに遊心いうしんぼつ々たれども事にまぎれはたさず。丁酉の晩夏ばんかつひ豚児せがれ京水をしたがへ啓行けいかうす。
誰しも今夜は、見知らぬ父母にあこがれて、母の乳首のたかまり、厚い脂肪の底から伝わる、軟らかな脈打ちの音に、眠らぬ一夜を過すにちがいないと思った。
人魚謎お岩殺し (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
手拭の運動につれて、圭さんの太いまゆがくしゃりと寄って来る。鼻の穴が三角形に膨脹ぼうちょうして、小鼻がぼっとして左右に展開する。口は腹を切る時のように堅く喰締くいしばったまま、両耳の方までけてくる。
二百十日 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
と云われ、伊之助はッとしていきなり扇で正孝の頭をピシャリ。
「何ぢや、失敬な事かす、」と肱枕君はむつくと起直りてわざとらしく拳を固め
貧書生 (新字旧仮名) / 内田魯庵(著)