“むつ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ムツ
語句割合
36.6%
酉刻14.7%
14.7%
陸奥9.3%
卯刻6.4%
襁褓2.9%
2.2%
六刻2.0%
六歳2.0%
勃然1.5%
六個0.7%
0.7%
憤然0.7%
0.7%
0.5%
六箇0.5%
0.5%
艴然0.5%
0.2%
0.2%
七時0.2%
亥刻0.2%
六才0.2%
六時0.2%
存外六0.2%
寅刻0.2%
沸然0.2%
0.2%
陸奧0.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
誰しもこれらの動物を眺めているうちに、ふしぎと調和されてくる総ての動物的な、珍らしいむつまじさ親密さをかんじるのであった。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
と下女が二度目に使いに参り、帰った時にポーンと酉刻むつが鳴ります、朝飯あさはん夕六時くれむつでございます。是からお化粧に取り掛ります。
霧陰伊香保湯煙 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
鈴木が言ふには、洋食といふものはあれで本式にするとむつヶしい作法がある。媒妁人なかうど媒妁人なかうどだから、下手なことをすると笑はれる。
出発 (新字旧仮名) / 島崎藤村(著)
相手の陸奥むつはなもそんなに細かい力士ではないが出羽に向つて仕切ると四階見物より『小さいのーイ、しつかりしろ』と怒鳴られる。
平次は、八五郎だけを殘して歸りましたが、翌る朝卯刻むつ(六時)過ぎ、八五郎の『大變』が明神下の平次の家へ飛び込んだのです。
さア、お腹は空いてくるわ、なんぼ泣いてもほっとかれるわ。お襁褓むつもかえてくれんわ。んだりったりや。
アド・バルーン (新字新仮名) / 織田作之助(著)
此方こつちへお出でなはツとくれやす。』と女は、むつかしい字の書いてある唐紙からかみを開けて、二人ふたりを次ぎの十疊へいざなふた。
東光院 (旧字旧仮名) / 上司小剣(著)
下城帰宅したのが暮れ六刻むつ、一風呂ふろ浴びて夕食、いまその食事が下げられて、奥をはじめ子供達は部屋へはいり、家臣は早く戸締りを見て、これも下へ引きとって間もなくではないか。
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
私は五歳いつつ六歳むつの頃から、三日に一度か四日に一度、必ず母に呍吩いひつかつて、叔父の家に行つたものである。
刑余の叔父 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
(三左衞門頑として應ぜず。外記はいよ/\勃然むつとして、床にかざりし鎧櫃より一領の卯花縅うのはなをどしの鎧を取り出して來る。)
箕輪の心中 (旧字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
だん/\進んで行くと、突当りの木槿垣の下に、山の端はなれた許りの大満月位な、シツポリと露を帯びた雪白の玉菜キヤベーヂが、六個むつ七個ななつ並んで居た。
葬列 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
何者にか聞れし一向蹤跡あとかたなき事なり拙者毛頭もうとう左樣さやうの事存じ申さずと虚嘯そらうそぶにも不束ふつつかなる挨拶なるにぞ六郎右衞門はむつとし彼奴きやつ多分の金子を掘り出しながらすこしの配分を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
お園は少し憤然むつとして
したゆく水 (新字旧仮名) / 清水紫琴(著)
むつの子のようなかたちの紫雲が、ひとつたなびいていたが、あとで考えあわせると、有難そうなのは見せかけだけで、それは妖雲といったたぐいのものだったらしい。
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
その発見によると、成金は馬よりかたつた二本あしが少いだけの事なので、馬はむつとして上西氏を鞍から揺り落した。
かくて六箇むつの車輪はあたかも同一ひとつの軸にありて転ずるごとく、両々相並びて福岡ふくおかというに着けり。
義血侠血 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「幾ら出せばいんです。」小橋氏はむつとして牡鶏をんどりのやうなきい/\した声で怒鳴つた。
相手は会釈一つしないのでKは少し艴然むつとした。
「どうもねえ、柄の悪いやつを相手にすると、話がむつかしいものだからね。」
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
「それだから話がむつかしかつたんです。何でもこの行き方ですからなあ。」
瘢痕 (新字旧仮名) / 平出修(著)
ちらとそれをきいてかぜむつとしました。
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
すこしむつとした百姓ひゃくせう
ちるちる・みちる (旧字旧仮名) / 山村暮鳥(著)
天保十一年十二月十七日朝の七時むつさがり、長崎船の八幡丸は、この奇妙な死体の横たわっている岸を離れて、貝の音も勇ましく、すばらしいぎの海へと船出して行った。
お美津簪 (新字新仮名) / 山本周五郎(著)
御自分でなさいますよ、——今朝、亥刻むつ少し過ぎ、雨戸を
続いて黄金丸も垣を越え、家の中を走り抜けんとせし時。六才むつばかりなる稚児おさなごの、余念なく遊びゐたるを、過失あやまちて蹴倒せば、たちまわっと泣き叫ぶ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
千住せんじゅ製絨所せいじゅうしょかねふち紡績会社かの汽笛がはるかに聞えて、上野の明け六時むつの鐘もち始めた。
今戸心中 (新字新仮名) / 広津柳浪(著)
新しい目で自然を見るという事は存外六むつかしい事である。吾人ごじんは生れ落ちて以来馴れ切っている周囲に対して、ちゃんと定まった、しかもきわめて便宜的コンヴェンショナルな型や公式ばかりをめている。
相生家の小者が多勢たかって、漸く鐘を引き倒したのは、かれこれ寅刻むつ近くなってからでした。
かれ自分じぶんが一しよときたがひへだてが有相ありさうて、自分じぶんはなれるとにはかむつまじさう笑語さゝやくものゝやうかれひさしいまえからおもつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
陸奧むつの国蒲生氏郷がまふうぢさとの家に、岡左内といふ武士もののふあり。ろくおもく、ほまれたかく、丈夫ますらをの名を関の東にふるふ。此のいと偏固かたはなる事あり。富貴をねがふ心、常の武扁ぶへんにひとしからず。