“ろく”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ロク
語句割合
63.5%
19.6%
4.3%
4.0%
3.3%
祿1.8%
0.8%
0.8%
路久0.5%
呂久0.3%
善事0.3%
満足0.3%
0.3%
0.3%
0.3%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
『気の毒ですよ。いくらバラツクでろくな物はないと云つたつて、又焼かれちやあ助かりません。近所でもみんな泣いてゐましたよ。』
赤い杭 (新字旧仮名) / 岡本綺堂(著)
「遠くは近江おうみの佐々木が一族と聞いておりますなれど、室町殿滅亡後、母方の里へひそみました由で、吉川家のろくんでおりませぬ」
宮本武蔵:07 二天の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
日記というよりは、何となくあらさがし、不平ろくといったようなもののできるのは、第一に書くものの恥になります。
女中訓 (新字新仮名) / 羽仁もと子(著)
たゞ櫻島さくらじまはかういふ大噴火だいふんか百年ひやくねんあるひ二三百年にさんびやくねん間隔かんかくもつ繰返くりかへすので、したがつて鎔岩ようがん流出量りゆうしゆつりようおほく、前回ぜんかい場合ばあひいちろく立方粁りつぽうきろめーとる計算けいさんせられてゐるが
火山の話 (旧字旧仮名) / 今村明恒(著)
五千の偽装兵をしたがえ、張遼、許褚きょちょを先手とし、人はばいをふくみ馬は口をろくし、その日のたそがれ頃から粛々しゅくしゅくと官渡をはなれて、敵地深く入って行った。
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
武鑑にも出てゐる公儀御時計師廣田利右衞門で、京橋弓町に堂々たる屋敷を構へ、世々五十俵の祿ろくんで立派な士分として遇せられました。
ろく屋根のパラペットに、一カ所、もろいところがあるので、そこへ凭れたひょうしに、胸壁といっしょに下へ落ちたのではないでしょうか。ほかに、考えようがありません」
我が家の楽園 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
やがて仏殿にも廻廊づたいにとうとう燃え移ります。それとともに、大して広からぬ境内けいだいのことゆえ、鐘楼しゅろうも浴室も、南ろくの寿光院も、一ときに明るく照らし出されます。
雪の宿り (新字新仮名) / 神西清(著)
元園町に接近した麹町三丁目に、杵屋きねや路久ろくという長唄の師匠が住んでいた。その娘のおはなさんと云うのが評判の美人であった。
綺堂むかし語り (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
三日、此日は南宮山にいたらんとして未明撫院にさきだつて発せり。一貫川を経て一里六丁美江寺みえでら駅に到る。呂久ろく川を渡り大垣堤をよぎるとき、旭日初て明に養老山望前に見ゆ。二里八丁赤坂の駅に到る。
伊沢蘭軒 (新字旧仮名) / 森鴎外(著)
見ると日頃あんくらせし兄清兵衞よりの手紙てがみつきなつかしくはあれども蕩樂者だうらくものゆゑどう善事ろくわけでは有まじとふう
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
五歳いつゝ六歳むつになるまでと云ふもの、まるで薬と御祈祷ごきたうで育てられたからだだ——江戸の住居も最早もうお止めよ、江戸はちりごみの中だと云ふぢや無いか、其様そんな中に居る人間に、どう満足ろくなもののはずは無い
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)
掃除をしてくれたのに礼もろくに言わなかったっけ。それから何んだっけ。何時頃なんどきごろにこの前を通るかい。
「オイ、ろくさん、何をぼんやりしてるんだな。ここへ来て、お前も一杯御相伴おしょうばんにあずかんねえ」
踊る一寸法師 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
彼は、アンの腰に、丈夫じょうぶロープがふた巻もしてあるのを発見した。しかもその綱の先は、防空壕のろく材の一本に、堅く結んであった。まるで囚人しゅうじんをつないであるような有様であった。
英本土上陸戦の前夜 (新字新仮名) / 海野十三(著)