“むっ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
勃然47.1%
憤然23.5%
怫然8.8%
5.9%
5.9%
2.9%
2.9%
慍然2.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
自分が綱を引きさえすれば兵馬などはどうでもなるように、呑みきっている物の言いぶりでしたから兵馬は勃然むっとして
大菩薩峠:06 間の山の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
と、ちらちらした目付で、娘をなぶりにかかる。娘はすこし憤然むっとして見せて
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
チョイと云う事からしてまずに障わる。文三も怫然むっとはしたが、其処そこは内気だけに何とも言わなかった。
浮雲 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
私がまだむっつかななつの時分でした。
梨の実 (新字新仮名) / 小山内薫(著)
わざわざ草花を買って持って行ってやっても、むっふくれている事さえあった。自分は枕元で書物を読んだり、看護婦を相手にしたり、時間が来ると病人に薬をませたりした。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ドアを開くと、むっとするような暖気が襲ってきて、それは熱に熟れた、様々な花粉の香りが——妙に官能をそそるような、一種名状しようのない媚臭で、鼻孔を塞いでくるのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)
これにはお絹もむっとしました。
大菩薩峠:23 他生の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)
小野田は心から厭そうにお島にそれを言出されると、苦笑しながら慍然むっとして言った。
あらくれ (新字新仮名) / 徳田秋声(著)