“くるし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
70.2%
16.1%
9.9%
1.9%
0.6%
痛楚0.6%
0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
なぜと云って、自分の足に合わない靴足袋ならば、決して不利な証拠ではないのです。何をくるしんで重りをつけて沈めたりしましょう。
何者 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
智勇こもごくるしむの極所に際し、かえって暴虎ぼうこ馮河ひょうが、死して悔なき破壊的作用のために、天荒を破りて革新の明光を捧げ来るものあり。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
こぼれたる柱、碎けたる石の間には、放飼はなしがひうさぎうまあり、牛ありて草をみたり。あはれ、こゝには猶我に迫り、我をくるしめざる生物こそあれ。
わしはそれを楽しみに苦界へ戻ろう。勇んでまた責苦のくるしみに遇いに行こう。
阿難と呪術師の娘 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
渋江氏が本所亀沢町の家を立ち退こうとして、最も処置にくるしんだのは妙了尼の身の上であった。この老尼は天明元年に生れて、すでに八十八歳になっている。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
一日あるひ左門同じ里の何某なにがしもととぶらひて、いにしへ今の物がたりして興ある時に、かべへだてて人の痛楚くるしむ声いともあはれに聞えければ、あるじに尋ぬるに、あるじ答ふ。
議長浦和はおもむろに其席に起てり「松本君の動議は実に驚くべき問題でありまして、自分においてはおほいに心をくるしめて居りますが、きましては——」
火の柱 (新字旧仮名) / 木下尚江(著)