“じら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
33.3%
焦慮16.7%
焦心16.7%
11.1%
5.6%
焦燥5.6%
5.6%
5.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
このポンコツというのは我々鉄道屋仲間の言葉で轢死れきしのことをいうのですが、私も昨年学校をてすぐ鉄道の試験を受け、幸い合格はしたもののどういう関係かさんざじらされた揚句あげく
(新字新仮名) / 蘭郁二郎(著)
医者は何とかして口を利かせたいものだと、頭を絞つて色々の手段てだてを試してみたが、小娘は髪の毛一つ動かさない済ました顔で、石のやうに黙りこくつてゐる。かうしてさんざ焦慮じらしぬいた末
故意わざと今日は権高に振る舞い、焦心じらして焦心して訊いたところ、わたしの機嫌をそこねまいとしてか、ほんの最近いましがた酔った口から、うかうかみんな喋舌しゃべってしもうた……右衛門さんとは、以前まえからの約束
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
塵居ちりゐの窓のうはじらみ日ざしのあは
泣菫詩抄 (旧字旧仮名) / 薄田泣菫(著)
やがて牝馬の傍へ寄って耳語みみうちをすると、牝馬は源の馬のたてがみんで、それを振廻して、もうさんざんにじらした揚句、さも嬉しそうな嘶きを揚げる。
藁草履 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
それをけば意味ありげににやにや笑って見せるだけであった。お延は彼がとくにこうして自分を焦燥じらしているのではなかろうかという気さえ起した。
明暗 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
安かれと、心じらひに伴ふや
歌よ、ねがふは (旧字旧仮名) / アリギエリ・ダンテ(著)
しかも同時にもし許してくれるならばその寝台ベッドの前に平伏してどうぞこの上俺をじらさないでくれと哀願したいほど苛だたしさ可愛さを、心一杯に覚えずにもいられなかったのであった。
陰獣トリステサ (新字新仮名) / 橘外男(著)