“焦心”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
あせ66.7%
いら7.1%
じれ6.0%
じら3.6%
あせり2.4%
こが2.4%
じれっ2.4%
せうしん2.4%
ぢれ1.2%
せき1.2%
せきごころ1.2%
あせっ1.2%
いきりだ1.2%
いらいら1.2%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
こういうお種の顔色には、前の晩に見たより焦心(あせ)っているようなところが少なかった。その沈んだ調子が、反(かえ)って三吉を安心させた。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
強(し)いて笑ったといえないこともない。そして彼の手は陣後をさし招いた。馬を曳(ひ)け、馬をと、にわかに、焦心(いら)って呼ぶのであった。
新書太閤記:08 第八分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
うずうずして独りで焦心(じれ)ていると、ふと椽側にバタリバタリと足音がする。其足音が玄関へ来る。確かに雪江さんだ。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
上段に振り冠った陣十郎は、その刀を揺すぶり揺すぶり、命の遣り取りのこの際にも、大胆不敵悠々寛々一面相手の心を乱し、あせらせ焦心(じら)せ怒らせようと、憎々しく毒々しく喋舌りつづけた。
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
さんざん待ちかまえていたことではあるが、咄嗟の場合と差のない焦心(あせり)がどの顔にも引ッつれていた。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ではどれほどに焦心(こが)れても、自分の恋心を紋也様には、将来受け入れてくださらないかもしれない。
娘煙術師 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
こうなると、お神さんも目に余って、或時何だか厭な事をお糸さんに言ったとかで、お糸さんが憤(おこ)っていた事もある。私は何だか面白いような焦心(じれっ)たいような妙な心持がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
そも此の招待券につきては、待つ間の焦心(せうしん)、得ての歓喜、紛失の恐れ、掏摸(すり)の心配は、果たして如何なりけん。貧乏人が一万円の札を手に入れたる時の心地ぞ斯くある可しと思ひぬ。
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
『痴人(ばか)め!』女王樣(ぢよわうさま)は焦心(ぢれ)ッたさうに御自身(ごじしん)の頭(あたま)を突(つ)き出(だ)して申(まを)されました、それから愛(あい)ちやんに振向(ふりむ)いて、『何(なん)と申(まを)す名(な)ぢや?子供(こども)』
愛ちやんの夢物語 (旧字旧仮名) / ルイス・キャロル(著)
新九郎は焦心(せき)だした。来国俊の刀も折れろ、後藤祐乗(ごとうゆうじょう)の鍔(つば)も割れろとばかり、むッと渾力(こんりき)を柄にあつめて最後の一押し。
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
さてはと推せし胸の内は瞋恚(しんい)に燃えて、可憎(につく)き人の疾(と)く出で来(こ)よかし、如何(いか)なる貌(かほ)して我を見んと為(す)らん、と焦心(せきごころ)に待つ間のいとどしう久(ひさし)かりしに、貫一はなかなか出(い)で来ずして
金色夜叉 (新字旧仮名) / 尾崎紅葉(著)
その人々に駈けへだてられ、寄ろうとしても再び寄れず、焦心(あせっ)ても無駄に互いに押され、右へ左へ、前と後とへ、次第次第に、遠退く、遠退く!
剣侠 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
おりから、十六夜(いざよい)の冬の月寒々と空に冴え返り見渡す限り丘も山も雪の白無垢(しろむく)に包まれて白一色の物凄さ。忽然その時四方の山から飢えと寒さに焦心(いきりだ)った狼の声々が聞こえて来た。
蔦葛木曽棧 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
それに近頃若い男が、彼に楯突いて浦里のもとへ、しげしげ通って来るという、厭な噂も耳にしたので彼は益〻焦心(いらいら)した。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)