焦心じれっ)” の例文
こうなると、お神さんも目に余って、或時何だか厭な事をお糸さんに言ったとかで、お糸さんがおこっていた事もある。私は何だか面白いような焦心じれったいような妙な心持がする。
平凡 (新字新仮名) / 二葉亭四迷(著)
心が存外たしかであるのに、眼だけがかすんでくる。いくらまばたきをしても駄目だ。湯の中にひとみけてるようだ。くしゃくしゃする。焦心じれったくなる。かんが起る。奮興ふんこうの度がはげしくなる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)