“奮興”の読み方と例文
読み方割合
ふんこう100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
心が存外たしかであるのに、眼だけがかすんでくる。いくらまばたきをしても駄目だ。湯の中にひとみけてるようだ。くしゃくしゃする。焦心じれったくなる。かんが起る。奮興ふんこうの度がはげしくなる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奮興ふんこうの極度に達すると、やはり二様の作用が出る訳だが、とくに面白いと思うのはその一つ、——すなわち積極の頂点からとんぼ返りを打って、魂が消極の末端にひょっくり現われる奇特きどくである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
ちびちびに自己を奮興ふんこうさせた成行なりゆきに過ぎない。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)