“ふんこう”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
焚香55.6%
奮興11.1%
糞坑11.1%
紛更11.1%
芬香11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
焚香ふんこうの匂いなどもにおってくる。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
心が存外たしかであるのに、眼だけがかすんでくる。いくらまばたきをしても駄目だ。湯の中にひとみけてるようだ。くしゃくしゃする。焦心じれったくなる。かんが起る。奮興ふんこうの度がはげしくなる。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
奮興ふんこうの極度に達すると、やはり二様の作用が出る訳だが、とくに面白いと思うのはその一つ、——すなわち積極の頂点からとんぼ返りを打って、魂が消極の末端にひょっくり現われる奇特きどくである。
坑夫 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
親孝行のお蔭で、性欲を少しでも抑えて行かれるのは結構である。しかしそれをし得ない人間がいるのに不思議はない。児島は性欲を吸込の糞坑ふんこうにしている。
ヰタ・セクスアリス (新字新仮名) / 森鴎外(著)
将来もし此ノ憲法ノル条章ヲ改定スルノ必要ナル時宜じきヲ見ルニ至ラハ朕及朕カ継統けいとうノ子孫ハ発議はつぎノ権ヲリ之ヲ議会ニ付シ議会ハ此ノ憲法ニ定メタル要件ニ依リ之ヲ議決スルノほか朕カ子孫及臣民ハあえテ之カ紛更ふんこうヲ試ミルコトヲ得サルヘシ
大日本帝国憲法 (旧字旧仮名) / 日本国(著)
また春が来ますと、今までは蕭条しょうじょうとして常磐木ときわぎのほかの万木千草はことごとく枯れ果てたかと思われていた中に、その一つの枯木の枝頭にこつとして芬香ふんこうを吐くところの白いものを見出みいだします。
俳句とはどんなものか (新字新仮名) / 高浜虚子(著)