焚香ふんこう)” の例文
病褥びょうじょくは片づけても薬の香や寝臭ねぐさいものが漂っているのをおそれて、焚香ふんこうのかわりに取りあえず、この一花をもってそれをきよめたものであろうと。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
焚香ふんこうの匂いなどもにおってくる。
南蛮秘話森右近丸 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして、こんな急場というのに、香炉を移して、死者の前にすえ、焚香ふんこう合掌して、その前に、黙祷をあげているのだった。
梅里先生行状記 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
彼はひとり焚香ふんこう静坐して、長巻の極意がきをしたためていたらしい。
剣の四君子:02 柳生石舟斎 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
その時、彼は亡家の墓に焚香ふんこうしながら
三国志:06 孔明の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)