“いらいら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苛々62.4%
焦々29.5%
苛苛4.6%
熬々0.6%
焦心0.6%
焦熬0.6%
焦燥0.6%
燥気0.6%
辛々0.6%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
今日ばかりは三人のしゃべるのを聞いていると苛々(いらいら)して来て、いやだと思うと一層体が大儀になり出して、つい顔色にも現れるので
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
そう考えると、武蔵は、豆腐くさい湯に焦々(いらいら)してきた。すでに吉岡家へ宛てての決戦状は、名古屋から飛脚に託して出してあるのだ。
宮本武蔵:04 火の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ゆき子は赧(あか)くなつてその男に挨拶を返したが、部屋を出て行つたきり、一向に戻つて来る気配もない様子に、苛苛(いらいら)してゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
間もなく相見た時は、君もやゝ心解けて居たが、茶色の眼鋭く眉(まゆ)嶮(けわ)しく、熬々(いらいら)した其顔は、一見不安の念を余に起(おこ)さした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
而して相変らず医を業としつゝ、其熬々(いらいら)を漏(もら)す為に「浜(はま)ゆふ」なぞ云う文学雑誌を出したり、俳句に凝ったりして居た。曾て夏密柑を贈ってくれた。余は
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎、徳冨蘆花(著)
それに近頃若い男が、彼に楯突いて浦里のもとへ、しげしげ通って来るという、厭な噂も耳にしたので彼は益〻焦心(いらいら)した。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
あの執拗(ひねく)れた焦熬(いらいら)している富岡先生の御機嫌(ごきげん)に少しでも触(さわ)ろうものなら直ぐ一撃のもとに破壊されて了(しま)う。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
夜更けて馴染みの女から俥に送られて帰って来た良人(おっと)と、しばらくぶりでそうして話しているお増の心には、以前自分のところへ通って来る浅井を待ち受けた時などの、焦燥(いらいら)しさがあった。
爛 (新字新仮名) / 徳田秋声(著)
始終(しじゅう)興奮(こうふん)して、燥気(いらいら)して、瞹眛(あいまい)なある待(ま)つことで気(き)が張(は)っている様子(ようす)。
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「冗談じゃない。津多子を鎖じ込めた文字盤に、暗号でもあるのなら別だがね。しかし、あの女の訊問なら後でもいいだろう」と熊城は、不同意らしい辛々(いらいら)した口調で云うのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)