“いらいら”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
苛々60.6%
焦々30.3%
苛苛4.9%
焦心0.7%
焦熬0.7%
焦燥0.7%
熬々0.7%
燥気0.7%
辛々0.7%
(注)作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
渠は心が頻りに苛々いらいらしてるけれど、竹山の存外平気な物言ひに、取つて掛る機会しほがないのだ。一分許り話は断えた。
病院の窓 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
弟の五郎将文まさぶみは、兄の無気力に、苛々いらいらしていった。具足の腰に付けていた革の水筒を解いて、馬上から馬上へ、
平の将門 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
私は何も塗らないぼんやりとした自分の顔を見ていると、急に焦々いらいらしてきて、唇に紅々あかあかとべにを引いてみた。
新版 放浪記 (新字新仮名) / 林芙美子(著)
時々、自分は何か一足飛いつそくとびな事を仕出かさねばならぬやうに焦々いらいらするが、何をして可いか目的めあてがない。
葉書 (新字旧仮名) / 石川啄木(著)
ゆき子はあかくなつてその男に挨拶を返したが、部屋を出て行つたきり、一向に戻つて来る気配もない様子に、苛苛いらいらしてゐた。
浮雲 (新字旧仮名) / 林芙美子(著)
たとえば足の一部を払っている間に、こんどは頬のあたりを刺して来たりして、苛苛いらいらしい、しかしどうにもならない苦しさを感じるのであった。
或る少女の死まで (新字新仮名) / 室生犀星(著)
それに近頃若い男が、彼に楯突いて浦里のもとへ、しげしげ通って来るという、厭な噂も耳にしたので彼は益〻焦心いらいらした。
紅白縮緬組 (新字新仮名) / 国枝史郎(著)
そして富岡先生は常に猛烈に常に富岡氏を圧服するに慣れている、その結果として富岡氏が希望し承認し或は飛びつきたい程に望んでいることでも、あの執拗ひねくれた焦熬いらいらしている富岡先生の御機嫌ごきげんに少しでもさわろうものなら直ぐ一撃のもとに破壊されてしまう。
富岡先生 (新字新仮名) / 国木田独歩(著)
夜更けて馴染みの女から俥に送られて帰って来た良人おっとと、しばらくぶりでそうして話しているお増の心には、以前自分のところへ通って来る浅井を待ち受けた時などの、焦燥いらいらしさがあった。
(新字新仮名) / 徳田秋声(著)
間もなく相見た時は、君もやゝ心解けて居たが、茶色の眼鋭くまゆけわしく、熬々いらいらした其顔は、一見不安の念を余におこさした。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
此国には昔から一種熬々いらいらした不穏ふおんの気がただようて居る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
燥気いらいらして、瞹眛あいまいなあるつことでっている様子ようす
六号室 (新字新仮名) / アントン・チェーホフ(著)
「冗談じゃない。津多子を鎖じ込めた文字盤に、暗号でもあるのなら別だがね。しかし、あの女の訊問なら後でもいいだろう」と熊城は、不同意らしい辛々いらいらした口調で云うのだった。
黒死館殺人事件 (新字新仮名) / 小栗虫太郎(著)