トップ
>
苛苛
>
いらいら
ふりがな文庫
“
苛苛
(
いらいら
)” の例文
或る朝は
偏頭痛
(
へんとうつう
)
を感じて
筆
(
ふで
)
を
執
(
と
)
る氣力もなく、
苛苛
(
いらいら
)
しい時を過した。それ等は私にとつては恐らく一生忘れ
難
(
がた
)
い
處
(
ところ
)
の、産みの苦しみだつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
ゆき子は
赧
(
あか
)
くなつてその男に挨拶を返したが、部屋を出て行つたきり、一向に戻つて来る気配もない様子に、
苛苛
(
いらいら
)
してゐた。
浮雲
(新字旧仮名)
/
林芙美子
(著)
たとえば足の一部を払っている間に、こんどは頬のあたりを刺して来たりして、
苛苛
(
いらいら
)
しい、しかしどうにもならない苦しさを感じるのであった。
或る少女の死まで
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
多くの人人が、たれも経験するところの、あの
苛苛
(
いらいら
)
した執念の焦燥が、その時以来
憑
(
つ
)
きまとつて、絶えず私を苦しくした。
田舎の時計他十二篇
(新字旧仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
弱し、顫へたり、蒼ざめたり、不安なり、
苛苛
(
いらいら
)
し。
牧羊神
(旧字旧仮名)
/
上田敏
(著)
▼ もっと見る
みんなの神経は
苛苛
(
いらいら
)
としてゐるけれど
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
我心
苛苛
(
いらいら
)
しさに
室内
(新字旧仮名)
/
渡久山水鳴
(著)
そして、筆は
遲遲
(
ちち
)
として進まず、意を
充
(
み
)
たすやうな作は出來上らずに、
徒
(
いたづら
)
にふえて行くのは
苛苛
(
いらいら
)
と引き裂き捨てる原稿紙の
屑
(
くづ
)
ばかりであつた。
処女作の思い出
(旧字旧仮名)
/
南部修太郎
(著)
かれは髪のなかに手をつッ込むような
苛苛
(
いらいら
)
しい気持になって考え沈むのであった。
幻影の都市
(新字新仮名)
/
室生犀星
(著)
細身の
刄先
(
はさき
)
を
苛苛
(
いらいら
)
と
晶子詩篇全集
(新字旧仮名)
/
与謝野晶子
(著)
苛
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
苛
常用漢字
中学
部首:⾋
8画
“苛”で始まる語句
苛
苛立
苛々
苛責
苛酷
苛烈
苛辣
苛斂誅求
苛税
苛政