“苛酷”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
かこく87.1%
きび2.9%
いらひど2.9%
ひど2.9%
いぢめ1.4%
ひどい1.4%
むごき1.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
高張提灯の薄暗い灯の下に、五六十人も押し重つた町内の人達も、あまりの苛酷かこく情景シーンに眼を反けて、非難の囁やきを波打たせます。
その弁護士は滝の名も聞いたことがないと答えたので、老婦人は主人や岸本を前に置いて平素にない苛酷きびしい調子を出して言った。
新生 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
水にはかど無けれども氷には稜ある道理で、恐ろしい鋭さと固さとを以て、或點に對しては嚴しくもまた苛酷いらひどく強く働くものである。
努力論 (旧字旧仮名) / 幸田露伴(著)
そこで銀行の連中がこういう時だと思って、その六千円を差押えて了った……到頭俺は橋本の家の為に千五百円ばかり取られた——苛酷ひどいことをする……何の為にその金が下ったと思うんだ。
家:02 (下) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
付て奉公せよ一日も早くよきお客に請出され斯々云所へ片付かたづきしと云越いひこして悦ばせよ呉々くれ/″\機嫌きげんよく奉公し傍輩達はうばいたち仲能なかようして苛酷いぢめられぬ樣にせよはしたなき事を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
打けるにウンと言て其まゝ悶絶もんぜつなせしかば茂助は驚き先生せんせい苛酷ひどいことをされたり夫では爰には居ぬにちがひも有めへかたき幸手さつての三五郎と知れてゐるからは先々親分の死骸を葬り相手に油斷を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
さげもらひ度思は道理もつともなりさぞ其方が心には殘念ざんねんなる事にあらん是も所謂いはゆる過去くわこの約束ごとならんか然共餘り苛酷むごき仕方しかたゆゑ其方が胸中きようちうさつし入る尤も嘉川家の事に就て大分たいぶん入組たる筋あれば近々きん/\評定ひやうぢやうも是有るべしシテ又其方が願ひし時娘の死骸なんとして渡さばやと尋ねられしかば吉兵衞なみだむせびながら其儀は
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)